2023年の桜の開花は3月下旬から順次始まっていくようです。
参考:2023年桜の開花・満開予想(第1回)を発表 | 日本気象株式会社
一眼レフで撮影している方は、春の代名詞である桜の様々な姿を一度はカメラに収めたいですよね。
満開になるまでの期間は約10日ほどと言われているため、満開に咲き誇るタイミングに合わせて、より美しく撮影できる場所を日夜探している方もいることでしょう。
そんな満足のいく撮影スポットを探している方は、ぜひレンタカーを利用してみてください!
行動範囲だけでなく撮影範囲も広がるため、自身の好きな角度からお気に入りの写真を撮ることが可能になるからです。
徒歩や電車だと、身近な風景やふと見つけた物を撮りやすいですが、被写体が決まっていている場合、撮影場所を自由に選べるレンタカーがおすすめです。
ただ、駐車場所やよそ見運転は他の方の迷惑になり、危険なためやめましょう。
この記事で紹介する桜の品種と、関東からレンタカーで行ける筆者おすすめの撮影スポットを参考に、満足のいく写真を撮りに出かけてみてはいかがでしょうか。
最後に海外のスポットもご紹介しますので、日本とはひと味違う特別な風景を撮影したい方は、ぜひチェックしてみてください。
美しく撮影するために知っておきたい定番の桜と珍しい品種
桜には品種が500種類以上あり、代表的なものから滅多に見かけない意外なものまで様々です。
数多くの品種があるからこそ、どのような桜を撮影するか決めてから撮影場所を選択してみてはいかがでしょうか。
どの桜も綺麗で撮りたくなるものですが、特徴や分類を知っておくと、より良い写真が撮れるはずです。
ぜひ今回紹介する品種を参考に、目的地を決めてみてください。
この章では、知っておきたい定番の桜とちょっと意外で珍しい品種を紹介します。
【定番の品種】
ソメイヨシノ
江戸時代の染井村の植木屋が、吉野桜として売り出したのが起源とされ、その後「ソメイヨシノ」という名称になりました。
基本種であるオオシマザクラとエドヒガンの交雑種となり、日本全国にあるソメイヨシノは、同一のソメイヨシノから接木(つぎき)されたもののため、同じ遺伝子を持っています。
接木とは、増やしたい品種の枝を別の木の切断面に接ぎあわせて、両方の特徴を兼ね備えた品種を生み出すことを言います。
日本を代表する桜のひとつであり、咲き始めは薄ピンク色、時間が経つほど白くなる花弁が特徴です。
淡色の咲き始めを狙って撮りに出掛けると、春を感じられる写真になるかもしれません。
- 分布:日本全国の街路樹・公園など
- 参考開花時期:3/20頃(2022年東京)
- 参考満開時期:3/27頃(2022年東京)
シダレザクラ
観賞用として栽培されていることが多く、日本各地の公園や神社で見ることができます。
後に紹介する福島県の「三春滝桜」が名所とされ、他にも平安神宮や六義園などにも植えられていることで有名です。
エドヒガンの派生の品種とされ、別名ではイトザクラと呼ばれることもあり、枝が垂れているのが最も分かりやすい特徴かと思います。
花弁は薄い紅色で、通常は満開時に白くなりますが、個体により変化するものも。
樹齢100年を超えるものがたくさんあるため、接写する際は敬ってあげてくださいね。
- 分布:日本各地の公園・神社など
- 参考開花時期:3/18頃(2022年山梨県/身延山久遠寺)
- 参考満開時期:3/26頃(2022年山梨県/身延山久遠寺)
カワヅザクラ
静岡県河津町が発祥であり、町の木として登録され、河津桜まつりが2月に開催されることで有名です。
同じく静岡県の伊豆河津町の並木や、三浦海岸が名所とされています。
カンザクラの一種とされ、ソメイヨシノよりも花弁が濃く、開花時期も早いためニュースで取り上げられることもしばしば。
一足先に撮影したい場合は、カワヅザクラがおすすめです。
- 分布:静岡県ほか各地
- 参考開花時期:1月下旬(通年)
- 参考満開時期:2月中旬(通年)
【珍しい品種】
ギョイコウ
京都府で園芸用に作られた品種とされ、貴族が着ていた衣装に似ていることから、御衣黄と名づけられています。
京都府には多くの名所がありますが、日本各地でも見ることが可能です。
サトザクラと同じく4月下旬から開花するため、最も遅く咲くとして有名です。
花弁は何枚も重なった八重咲きとなり、黄緑色の花が他とは大きく違う特徴となります。
誰が見ても意外性があり、一般的な桜とはひと味違うギョイコウを、一度は撮影してみてはいかがでしょうか。
- 分布:京都府ほか各地
- 参考開花時期:4/10頃(2022年島根県/三刀屋川河川敷)
- 参考満開時期:4/13頃(2022年島根県/三刀屋川河川敷)
ヤエビトラノオ
出典:桜図鑑
京都府で昔から栽培されていた品種とされ、開花時に虎の尾のように咲くためこのような名称となりました。
東北地方より南で栽培されていることが多く、東京都の上野恩賜公園や石川県の桜品種保存園で見ることができます。
こちらも通年4月下旬に開花し、薄ピンク色の花弁が枝に密集することが特徴です。
手毬のような大きい花を咲かせるため、インパクトのある写真を撮りたい方は、ぜひ探してみてください。
- 分布:東北以南
- 参考開花時期:4月中旬(通年)
- 参考満開時期:4月下旬(通年)
センリコウ
出典:石川県
江戸荒川提(東京都足立区)で栽培されていた品種で、花に香りがあることが名称の由来とされています。
関東周辺で見かけることが多いですが、特に荒川堤が名所です。
花弁は大きく満開時は白色となり、蕾はバラの形に似ているのが特徴と言えます。
香りを楽しみつつ撮るのも良いですし、咲き始めは薄ピンク色のグラデーションが美しいため、おすすめです。
- 分布:関東周辺ほか各地
- 参考開花時期:4月中旬(通年)
- 参考満開時期:4月下旬(通年)
定番のものと、派生した珍しい品種を3つずつ紹介しました。
どの桜にも特徴があり、カメラに収めたいものばかりですよね。
開花時期と満開時期に若干のズレがあるため、どの品種を撮影するか決めてから目的地を選んでみてください。
特徴をおさえつつ、その場所でしか見れない風景と一緒に撮影してみてはいかがでしょうか。
関東からレンタカーで行く!桜のおすすめ撮影スポット
古くから詩や句に登場した桜は、日本の国花とされています。
そのため昔から伝わる名所は数多くあり、世界からも注目されているほどです。
ぜひ偉人が眺めたであろう場所で写真を撮り、その土地を感じてみてください。
当時の趣や空気を収めた写真と体験は、きっと宝物になるはずです。
電車やバスでは行けないような場所へ、自由に移動できるのがレンタカーの良さになります。
これから紹介するスポットを参考に、関東から少し足を伸ばして、普段行かないような撮影場所へ赴いてみてはいかがでしょうか。
この章では、関東からレンタカーで行ける撮影スポットをご紹介します。
実相寺(山梨県)
出典:富士の国やまなし
境内に日本三大桜の「山高神代桜」があり、周りに建造物などが無いため、好きな角度から撮影することができる人気のスポットです。
野生のエドヒガンザクラで、樹齢は約2000年。
弥生時代から植生していると考えると、壮大な歴史を感じますよね。
昨年の満開日は、3/31でした。(参考:ウェザーニュース)
今年も3月下旬から開花し、4月初旬まで満開となると想定されるため、実相寺へ行く際はこの時期がおすすめです。
雪が残る日本百名山の八ヶ岳や、南アルプスを背景に撮ると、大自然を感じられる写真になるため、ぜひ一度撮影してみてはいかがでしょうか。
- 実相寺
- 住所:山梨県北杜市武川町山高2763
- 駐車場:約100台
- 東京都からのアクセス:約2時間(高速道路利用)
- 参考開花時期:3月下旬
- 参考満開時期:4月初旬
井栗の桜並木(新潟県)
新潟県井栗地区にある200本以上もの桜並木は、昔ながらの風景と一緒に撮影できるスポットです。
周りが田園地帯なので特に目を惹き、真ん中にある布施谷川には柵などが無い珍しい風景となります。
昨年の開花日は4/9で、満開日は4/12でした。(参考:ウェザーニュース)
今年も昨年と同様と想定され、通年人は少なく、満開時には綺麗な風景が撮れるためおすすめです。
井栗の桜並木は地域の方が植えたものなので、地元でも愛されている場所としても有名です。
田園風景や田舎らしい美しさが際立つ井栗で、圧巻の桜並木を撮影してみてはいかがでしょうか。
河川敷などは地域の方々が大切に管理されているので、マナー良く撮影したいですね。
- 井栗の桜並木
- 住所:新潟県三条市井栗
- 駐車場:無し
- 東京都からのアクセス:約4時間(高速道路利用)
- 参考開花時期:4月初旬
- 参考満開時期:4月中旬
三春滝桜(福島県)
出典:郡山市観光協会
前章で紹介した、シダレザクラの名所となります。
日本三大桜のひとつで、樹齢は1000年以上と言われる歴史のある樹木です。
皇居宮殿の、正殿松の間の杉戸絵『櫻』(橋本明治画伯)に登場するなど、今も昔も多くの人を魅了しています。
昨年の開花日は4/8、満開日は4/12であり、今年も同時期と思われます。(参考:ウェザーニュース)
満開時には混雑するため、人が少なく風情のある風景が撮影できる、4月下旬の散り始めがおすすめです。
周りには何もない丘の中腹に壮大に育つため、目を惹きやすく、遠くからでも美しく撮ることが可能です。
ライトアップにより、昼間と夜でふたつの顔が撮影できるため、他よりも満足感が得られるスポットとなります。
- 三春滝桜
- 住所:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保地内
- 駐車場:850台
- 観桜料:300円
- 東京都からのアクセス:約3時間(高速道路利用)
- 参考開花時期:4月初旬
- 参考満開時期:4月中旬
関東からレンタカーで行ける、筆者おすすめの撮影スポットをご紹介しました。
どの場所も間近で見るのはもちろん、遠目でも良い風景が撮れること間違いなしです。
満開の時期には人気が出る名所もあるため、人混みの少ない平日や夜に訪れるのが良いかもしれません。
ぜひその土地の空気を体感し、お気に入りの写真を撮ってみてはいかがでしょうか。
日本とはひと味違う!海外の桜の撮影スポット
日本の桜を紹介してきましたが、海外にも桜があることをご存知ですか?
海外にもお花見の文化があり、日本が寄贈し人気となったスポットもあります。
異国の文化とのコラボレーションを、ぜひカメラに収めてみてはいかがでしょうか。
日本とはひと味違った特別な風景を、楽しみながら撮影することがでるはずです。
この章では、海外で桜を撮影できるスポットをご紹介します。
タイダルベイスン(アメリカ)
出典:ワシントンDC
アメリカ合衆国の首都ワシントンDCの南西にある、タイダルベイスンという入り江では、桜祭りが開催されるほど有名なスポットです。
きっかけは、明治時代に当時の東京市長が、荒川堤の桜を送ったこととされており、日本とアメリカ合衆国の友好の証となっています。
昨年の開花日は3/19、満開日は3/25であり、今年も同時期と思われます。(参考:National Park Service)
入り江ではパドルボートに乗ることもでき、地上とは違った角度から撮影できるためおすすめです。
ワシントンDCにしかない、ワシントン記念碑やジェファーソン記念館などの、歴史ある建造物と一緒に、桜を撮影してみてはいかがでしょうか。
- タイダルベイスン
- 住所:20024DCWashington1501 Maine Ave SW
- 参考開花時期:3月中旬
- 参考満開時期:3月下旬
王立公園(スウェーデン)
出典:Sweden Tourism & Culture Center
かつての王宮の一部が市民公園となった場所で、スウェーデンで見ることができる桜の名所として有名です。
名所となったきっかけは、1998年にスウェーデン国王に記念として贈られた63本の八重桜。
通年、4月中旬から開花し、下旬には満開となります。
4月下旬には、満開に合わせて「桜まつり」が開催され、和太鼓演奏やよさこいなどで盛り上がるため、賑やかな風景を撮ることも可能です。
スウェーデンの首都ストックホルムにある公園で、繁華街などもあり多くの方が訪れています。
王立公園の周りには西洋の建物も数多くあるため、異国の文化と桜のツーショットを撮ってみてはいかがでしょうか。
- 王立公園
- 住所:Arsenalsgatan 12, Stockholm
- 参考開花時期:4月中旬
- 参考満開時期:4月下旬
スタンレーパーク(カナダ)
出典:カナダマニュアル
カナダのバンクーバー市内には約40000本の桜があるとされ、日本と同じくらい綺麗な風景を見ることができます。
1930年代に、当時の神戸市と横浜市の市長が、計500本を日系カナダ人戦没者慰霊碑へ追悼の意味を込めて、寄贈したのがきっかけです。
通年、早いものは3月中旬から開花し、遅咲きを含めると5月下旬まで満開を見ることができます。
約2か月間桜を見ることができるため、5月のゴールデンウィークを使ってバンクーバーを訪れるのも良いかもしれません。
中でもスタンレーパークには桜を含む、多くの植物が植生しており、「世界一の公園」と呼ばれることもあります。
どこに行っても桜を撮影できるバンクーバーで、自身のお気に入りの撮影スポットを探してみてはいかがでしょうか。
- スタンレーパーク
- 住所:V6GBCVancouverStanley Park Causeway
- 参考開花時期:3月中旬
- 参考満開時期:3月下旬~5月下旬
海外の桜の撮影スポットを3つ紹介しました。
その土地にしかない建物と、桜が合わさると幻想的な風景になりますね。
開花から満開になる時期まで日本とほぼ同じなので、一度は海外の桜をカメラに収めてみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回は、一眼レフで撮影したいおすすめスポットと品種を紹介しました。
訪れてみたい場所や撮りたい桜は見つかりましたか?
短い期間で様々な姿を見せる桜は、撮る時期によって写真の印象が大きく変化します。
品種や満開になる時期をおさえておくことで、最高の瞬間を撮ることができるはずです。
レンタカーで行く撮影は、紹介した場所だけでなく自身で決めることができるので、無数の可能性があります。
この記事を参考に、自身の満足のいく姿を一眼レフで撮影してみてはいかがでしょうか。
今回紹介したスポット以外にも、日本全国には海外からも注目される美しい風景が数多く存在します。
ぜひ、愛用の一眼レフと好きな場所へ行けるレンタカーで、ご自身の撮影の幅を広げてみてください。
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