カレースパイスと聞くとどのような印象をお持ちでしょうか?
ルーを使っていない、本格的なカレーを提供しているお店などを思い浮かべる方も多いと思います。
自宅で本格カレーを作ろうと思っても、種類が多く、どのスパイスがどのような味になるのか分からない方もいるのではないでしょうか。
一方で、自宅にスパイスが並んでいるのを見たら、料理ができ、大人な趣味を持つ男性のように見えておしゃれですよね。
キッチンの見栄えが良くなり、お店で提供している本格カレーを自宅で作れるのがカレースパイスの魅力です。
この記事ではカレースパイスの基本からアレンジ料理まで分かる、スパイス初心者へ向けた内容をお届けします。
カレースパイスの基本
カレースパイスとはカレーに用いるスパイスのことで、用途は「風味」「辛味」「色付け」に分けられます。
カレー発祥のインド料理には、30種類以上のスパイスを使っているとされており、多種多様な奥深い本格カレーを作ることが可能です。
ただ、30種類もスパイスを取り揃えるのはなかなか難しく、使い余してしまう方もいるのではないでしょうか。
基本のカレーを作るのに最低限必要なスパイスは、「3種類」と言われています。
この章では3種類のカレースパイスと、料理に便利な調理器具と簡単な作り方について紹介していきます。
【これだけあれば本格カレーが作れる!カレースパイス3種】
- コリアンダー
コリアンダーは「パクチー」と同じ植物ということをご存知でしょうか。
タイ経由で輸入されたのが「パクチー」で、欧米経由で輸入されるのが「コリアンダー」と言い、輸入先で名称が違います。
ただ、コリアンダーはパクチーのような茎や葉ではなく「種子」を使っているため、クセが少なく様々な料理に香辛料として使われています。
古代エジプトでは薬として、古代ギリシャではパンに練り込むなど、昔から身体に良い物として利用されることが多く、「幸福をもたらすスパイス」という別名もあるほどです。
コリアンダーはパクチーのように中華料理やエスニック料理に利用されることが多いですが、甘さを引き立てるためにクッキーや焼きりんごにも使われています。
カレースパイスの中では風味のまとめ役として使われ、爽やかな香りが特徴です。
参考:https://www.h-spice.jp/dictionary/spicelist/s_coriander.html - レッドチリ
レッドチリとは名前と赤い見た目の通り、赤唐辛子を原料としており、カレーの「辛さ」を担うスパイスです。
レッドペッパーやチリペッパー、韓国唐辛子、カイエンペッパーなど様々な商品が販売されており、製法や赤唐辛子の粒度によって名前が変わります。
発汗作用や血行促進作用により、脂肪燃焼効果や温感促進効果が期待され、日本でも七味唐辛子など、唐辛子を使ったスパイスが古くから根付いているほどメジャーなスパイスです。
効果だけではなく、刺激的な辛さがクセになるのが唐辛子の魅力ですが、辛さを抑えるために発生するベータエンドルフィンにより幸福感も得られるようです。
刺激的な辛さとスパイシーな香りが特徴で、カレーには欠かせないスパイスでしょう。
参考:https://www.h-spice.jp/dictionary/spicelist/s_redpepper.html - ターメリック
ターメリックはインドや東南アジアが原産の「秋ウコン」からできたスパイスです。
紀元前のインドで栽培されていたのが始まりとされ、生命力の象徴としてヒンドゥー教の儀式などでも使用されるそうです。
ターメリックの原料である「ウコン」は、中国語の「鬱金」が派生したものとされ、鮮やかな黄色の意味の他に、「重い気持ちを爽快にする」という意味もあるようです。
効果効能としては、消化促進や殺菌作用、解毒作用など様々で「奇跡のスパイス」とも呼ばれています。
カレーでは主に色付けとして使われており、辛味と風味は強くありません。
分量によってカレーの見た目にも影響するため、こちらもカレーに欠かせないスパイスです。
参考:https://www.h-spice.jp/dictionary/spicelist/s_turmeric.html
【スパイス料理にあると便利な調理器具】
スパイスは、スーパーなどで容器に入ったパウダー状のものが販売されていることが多いですが、少しのこだわりでキッチンがよりおしゃれな空間になります。
おしゃれなキッチンだと料理のモチベーションもあがりますよね。
そんな、スパイス料理にあると便利な調理器具を紹介します。
- スパイスミル
本格的なスパイスに欠かせないのがスパイスミルとスパイスボトルです。
スパイスミルは、スパイスの素材を粉末状にするもので、カレーの本場インドではすり鉢状のスパイスグラインダーというものが使われていたりします。
おすすめしたいのは、マイクロプレインの「マルチスパイスミル」です。
こちらはほとんどの乾燥スパイスを挽くことができるため、カレースパイス以外にもコショウやシナモンなどにも使用可能です。
マイクロプレイン「マルチスパイスミル」 - スパイスボトル
スパイスボトルは粉末状のスパイスの品質を保ちつつ保存できる容器です。
湿気が大敵のスパイスを保存するには欠かせないものであり、既存の容器よりもスタイリッシュに保存が可能となります。
スパイスボトルでおすすめなのがkuusの「ガラスボトル 保存容器 170ml」です。
初めての方なら、少量かつ計量スプーンで取り出せる小型の容器が良いかと思います。
またガラスボトルなので容器に匂いが移りにくいのもポイントです。
kuus「ガラスボトル 保存容器 170ml」 - ステンレスの計量スプーン
カレースパイスを調整するのに欠かせないのが計量スプーンです。
プラスチック製ですと色や匂いが移りやすいため、ステンレス製の計量スプーンが良いでしょう。
また、乾燥を防ぐために珪藻土の計量スプーンも良いかもしれません。
ステンレス製の計量スプーンでおすすめなのが、貝印の「SELECT100® 計量スプーン」です。
他にはあまり見ない形状をしており、しっかりと分量を量れるのも魅力的です。
貝印「SELECT100® 計量スプーン」 - ステンレス容器
最後に、あると便利な調理器具はステンレス容器です。
インド料理屋に行くとステンレス容器に入れられたカレーを良く見る方も多いのではないでしょうか。
インドではスパイスの色移り防止のためにステンレス容器を使用しているようです。
見た目だけでなく機能性にも富んだステンレス容器で、本格カレーを作ってみてはいかがでしょうか。
おすすめのステンレス容器は青芳製作所の「ヴィンテージ カレー皿(A)」です。
鈍く光るステンレスが食卓をよりおしゃれにしてくれます。
ヴィンテージ「カレー皿 A」
【カレースパイスの使い方とは?】
カレースパイスは、基本的にカレーの仕上げとして使われます。
一般的なカレーの作り方に加えて、スパイスの入れ方をご紹介します。
- 玉ねぎ、ニンジン、鶏肉などを好みの大きさに切り炒める
- カレースパイスと水を加え煮込む
- 塩や足りないと思うスパイスを加え完成
分量は、コリアンダー:レッドチリ:ターメリック=7(小さじ1.4杯):1(小さじ0.2杯):2(小さじ0.5杯)の割合です。
さらにスパイスの種類により、割合は変わってきます。
カレースパイスの基本を、「スパイス」「調理器具」「使い方」に分けてご紹介しました。
分量は好みにより変化しますが、意外と簡単に作れそうと思った方も多いのではないでしょうか。
次の章では、さらに深堀して紹介していきます。
奥深い!カレースパイス9種類を紹介!
インド料理で使われるスパイスは30種類以上あると説明しました。
しかし、カレースパイスは約9種類ほどです。
先ほど紹介したコリアンダー、レッドチリ、ターメリック以外にも様々な魅力的なスパイスがあるので、「風味」「辛味」「色付け」に分けてご紹介します。
【風味】
スパイスカレーに重要なのが風味です。
カレースパイスの中でもこの分野は分量でも多く使われることが多く、様々なカレーを表現できます。
- コリアンダー
冒頭にも紹介したベーシックなスパイスです。 - クミン
カレーの匂いを代表するスパイスのひとつです。
カレー以外にも様々なエスニック料理で使われる事が多いので、知っている方もいるかと思います。
- カルダモン
「スパイスの女王」と呼ばれるほど、有名なスパイスです。
甘く爽やかな香りでカレーはもちろん、チャイやピクルス、ケーキなどに使われています。 - フェヌグリーク
最も古くから栽培されている植物とされています。
甘い香りと苦味が特徴ですが、火を通すと苦味が無くなり甘みが増します。 - グローブ
甘い香りと刺激的な風味が特徴のスパイスです。
肉の匂い消しに使われることが多く、シチューやホットワインにも使われます。
【辛味】
カレーの特徴といえば「辛さ」ではないでしょうか。
辛い物が苦手な方でも、「辛味」があることで良いアクセントになるはずです。
- レッドチリ(チリペッパー、唐辛子)
唐辛子をベースに様々な調味料を混ぜ合わせたスパイスです。
赤い見た目の通り辛いですが、様々な料理に利用できます。 - コショウ
「スパイスの王様」と呼ばれるほど、万能なスパイスです。
料理以外にも、匂い消しや防腐剤として使われていたこともあります。
【色付け】
カレーといえばなんといっても特徴的な「色」ですよね。
色味があることでより食欲が湧きます。
- ターメリック
冒頭で紹介したとおり、カレーには欠かせないスパイスとなります。 - サフラン
1つの花から3本しか採れないため、「世界一高価なスパイス」として有名です。
料理の色付けや香りづけによく使われています。
いかがでしたでしょうか。
カレースパイスにも様々な種類があり、どのスパイスを使うかで全く違うカレーを作ることができます。
基本を押さえつつ、自分好みのスパイスでカレーを作ってみてはいかがでしょうか。
様々な料理に応用できるカレースパイス
これまで「カレースパイス」について紹介してきました。
使う分量が少ない分、買ったものの全て使い切れないこともあるでしょう。
スパイスは乾燥物のため、湿気などに気を付けて保存しないと使えなくなってしまう場合もあります。
せっかく購入したカレースパイスを使い切るためにも、カレー以外にもアクセントとして使える料理をご紹介します。
・タンドリーチキン
お店で食べることはあるけど、自宅ではなかなか作ることのないタンドリーチキン。
コリアンダー、レッドチリ、クミンなどのスパイスとヨーグルトを混ぜ、鶏肉と絡めてからグリルすることで、簡単に本格タンドリーチキンを作ることが可能です。
・プッラ
プッラとは、カレーの香りづけに使われるカルダモンも使ったフィンランドの菓子パンです。
カルダモンの甘い香りが良いアクセントになります。
・ターメリックラテ
カレーの色付けとして使われるターメリックを使った、ターメリックラテは「ゴールデンミルク」とも呼ばれます。
ターメリックの抗酸化作用で美容分野でも注目されています。
カレーの印象が強いスパイスも使い方次第で、様々な料理のアクセントとして役立ちます。
インド料理には紹介したカレースパイスを使った料理がたくさんあるので参考にしてみてはいかがでしょうか。
おわりに
カレースパイスの基本からアレンジ料理まで紹介しました。
多くのスパイスを使うことで、自分好みの本格カレーを作れるのは魅力的ですよね。
自分の購入したスパイスがキッチンに立ち並ぶだけでも、生活への充実感が得られます。
一見難しそうに見えるスパイスも、ジャンルや使い方を知ればどんな方でも扱うことは可能です。
また、普通の料理の隠し味としても使えるため、手料理を振舞う時に他の人との差別化としてカレースパイスを使うのも良いかもしれません。
世の中には高級なスパイスもたくさんあるため、大人の趣味を彩るものとして、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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