2021年の冬至は12月22日。
かぼちゃを食べたりゆず湯を入る日として知られている「冬至」は、毎年日が変わります。
2020年は12月21日
2022年は12月22日
そもそも冬至という言葉は知っているけど、なぜ日が変動するのか?
なぜ、かぼちゃやゆず湯が登場するのか意外と知らないことが多くあります。
今回は冬至の意味や、地域によってちょっと違う冬至の風習をご紹介します。
「冬至」の由来・1年で最も日が短くなる日とは?
冬至とは、1年で最も夜が長く、昼間が短い日のことを示します。毎年変動する理由は、太陽の動きや地球の自転によって変わるためです。
だいたい12月21日頃が冬至で、2021年以降の冬至は以下の通りです。
【冬至の年別日付】
2021年12月22日
2022年12月22日
2023年12月22日
2024年12月21日
2025年12月22日
2026年12月22日
2027年12月22日
2028年12月21日
2029年12月21日
2030年12月22日
二十四節気の1つである冬至は、別名「一陽来復(いちようらいふく)の日」と言われ、太陽の力が弱まる日でもあると同時に、再び力が蘇ると中国や日本では信じられています。
調べるまでは日が変動することは知りませんでしたが、天文学の視点から決めているところはなんだか神秘的ですね。
なぜ冬至にかぼちゃを食べるのか?冬至で食べると運気が上がる食べものとは?
冬至は北半球では厳しい冬の時期。
冬至にはかぼちゃを食べると良いと定番となっていますが、夏に収穫されるかぼちゃをどうして冬に食べるのでしょうか?
夏野菜のかぼちゃを寒い冬に食べる秘密、それは、かぼちゃが長期保存ができる野菜だということです。
夏に収穫されてもかぼちゃは傷みにくく、風通りの良い場所で3カ月ほどの長期保存ができる野菜です。
またビタミンが豊富で、栄養失調になりやすい冬の時期に食べることで、厳しい冬を元気に乗り切れるということで冬至の時期にかぼちゃを食べるようになりました。
この風習は冷蔵庫がなかった時代の明治以降に出てきたものと言われていますが、江戸時代から続いているという説もあります。
また、名前に「ん」が2つ入っている野菜は冬に運を運んでくれると信じられており、別名「南瓜(なんきん)」と言われたかぼちゃも運を運ぶ野菜だったそうです。
運をもたらす冬の七草
- なんきん(かぼちゃ)
- れんこん
- にんじん
- ぎんなん
- きんかん
- かんてん
- うんどん(うどん)
かぼちゃは長期保存ができたため、食べものが少ない冬にとても貴重な野菜だったようです。
かぼちゃは煮物のイメージもありますが、地域によって冬至で食べるかぼちゃの食べ方も変わるそうです。
意外と知らない!地域によって食べ方が違う冬至の過ごし方
かぼちゃといえば煮物にして食べるイメージでしたが、地域によって食べ方も変化します。
例えば、北関東ではかぼちゃとこんにゃくを入れた煮物が登場したり、北海道や山形県など雪国の地域ではかぼちゃと小豆(あずき)を煮た「いとこ煮」を食べるところがあります。
あずきはその赤が邪気を払うと言われ、運気を呼び起こすという意味が込められています。
地区によってはかぼちゃだけでなく、あずきのお粥を「冬至粥」と呼び、冬至粥を食べた翌日は良い運気が来ると信じられているところもあります。
また「冬至祭」という祭事が各地で開催されかぼちゃ供養をします。
例えば、京都では不思議不動院(ふしぎふどういん)で「かぼちゃの接待」としてかぼちゃの煮物が冬至の日にふるまわれます。
不思議不動院にはかぼちゃ大師様と呼ばれた大きさ一尺の弘法大師様の木像があります。
かぼちゃ大師と言われる理由は以下の由来からでした。
初代住職が「この弘法大師様が世の全て、生きとし生けるもの、迷い苦しんでいる人たちをその境遇から救われ賜れ」と、不眠、断食、滝にうたれるなどの修行をし、祈願をしたのです。その満願のお礼にかぼちゃを供え、毎年12月の冬至の日に参拝者の方にかぼちゃを振る舞うようにしたことから、この弘法大師像はかぼちゃ大師様と呼ばれるようになりました。
出典:「不思議不動院」http://kyoto.wakasa.jp/detail/25/631/
今や境内ではかぼちゃが供えられるようになり、冬至の日は約150個のお下りのかぼちゃが用意され、かぼちゃの煮物がふるまわれます。
地域によって食べ方が変わりますが、「冬至を無事に過ごし、健康と良い運気をもたらしたい」という想いがどの地域にも込められています。
また、甘いかぼちゃは果物代わりにもなるので、寒い冬に食べるスイーツのような存在で昔から親しまれていたのかなと思いました。
冬至の定番ゆず湯の意味とは?
冬至ではゆず湯も有名な習慣
ゆずはちょうど11月~12月が収穫期ということもあり、ビタミン豊富なゆずを湯に入れて浸かると、風邪をひかずに冬を越せると言われています。
実際にレモンやみかんよりもビタミンCが多く含まれていて、ウイルスへの抵抗を強める働きがあるので、風邪予防に最適だそうです。
また、ゆず湯で禊(みそぎ)をして身を清める、邪気を祓うという意味があります。
ゆずは実るまでに長い年月がかかるため、長年の苦労が実りますようにとの願いも込められています。
冬至=「湯治」、ゆず=「融通」がきくにかけて、冬至(湯治)にゆず湯に入って息災であれば融通がきいてうまくいく、洒落た語呂合わせがあるため、江戸時代から馴染みの風習となったと言われています。
おわりに
冬至の意味や食べものの意味、食べ方の違いはありますが、どれも厳しい冬を元気に過ごしたい、良い運をもって過ごしたいという想いがあることに気づきました。
冬至は寒い冬を乗り越えて、新しく生まれ変わるといった意味があると思うと、かぼちゃの煮物やゆず湯をしたくなりました。
ぜひ皆さんも冬至にはかぼちゃの煮物を食べたり、ゆず湯をしてみてください。
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