2022年3月11日で東日本大震災から11年が経ちます。
筆者は当時、地元である大阪を離れて新潟の会社に勤めていました。
いつもはコンビニの電子看板や電灯に照らされてほの暗い程度の夜も、その日から街から灯が消え、不安の暗闇に包まれました。
テレビでは連日地震の速報が流れ、バラエティー番組が放送されなくなりました。
娯楽が消え、「笑う」ということにも違和感を覚えるほど不安の毎日でした。
そんな出来事から11年が経ちます。
最近ではコロナウイルスの流行でまた違った不安の毎日が続いています。
しかし筆者はコロナが必ずしも悪い影響を及ぼしているとは思っていません。
働き方が変わり、今までにはなかった「テレワーク」を取り入れる企業も増えてきました。
時代の変化に伴ってSNSなどのインターネットは驚くほど発達したと思います。
つい先日、SNSを見ていると「100万人の線香花火ナイト」という気になる投稿がありました。
どのような投稿かというと線香花火で東日本大震災で亡くなった方を追悼しようというSNSを連動してのイベントだそうです。
参考:https://kibounohikari.jimdofree.com/
線香花火は夏の風物詩というイメージでしたが、気になったので線香花火について調べてみました。
意外と知らない線香花火
筆者は昔、夏にスーパーで買った花火セットで家族や友人と花火をしたことがあります。
打ち上げ花火や手持ち花火などをして楽しんだことを思い出します。
派手な燃え方のする花火が多い中、なんとも地味な燃え方の線香花火。
ですが、その線香花火の燃え方には意味が込められています。
それは「人の一生」です。
燃え方には段階があり、それぞれの段階には名前が決められており、その名前は以下の通りです。
①蕾(つぼみ)
着火すると直径5mm程度の火球(玉)ができる。
炭素の燃焼により気泡ができては破裂し、再び火球の形に戻ることを繰り返すため、火球が震えて見える。
②牡丹(ぼたん)
火球内の燃える火薬が、温度上昇により液体状になる。
火球が破裂した時の表面張力で生じた流れに沿って火花が飛び出す。
③松葉(まつば)
火花がより多く、激しく散って、松葉のように見える。
④柳(やなぎ)
火花が低調になる。
⑤散り菊(ちりきく)
消える直前。
火花が分裂しなくなり、火球は落ちたり、燃え尽きたりする。
参考:https://airi-31.hatenablog.com/entry/2018/08/18/223433
100万人の線香花火ナイトとは
線香花火を囲んで震災で星になった大切な人に、線香花火の優しい光を届けるイベントだそうです。
参加資格はどなたでも参加可能。
大事なことは大切な人を想うことだそうです。詳細はこちらから。
【日時】
7月7日(七夕):19:30〜
8月11日(お盆・東日本大震災月命日):19:30〜
3月11日(東日本大震災発災日):星が見える時間
【会場】星が見える場所
年3回開催されているそうです。
線香花火は人の人生を表しているので1本1本大切な人を想いながら線香花火に火を灯して参加してみてください。
ぜひこの思い出を「#線香花火ナイト」、「#あなたのことを忘れてないよ」でTwitterやInstagramに投稿してみてください。
参考:https://kibounohikari.jimdofree.com/
供養につきもののお酒
線香花火について調べてみましたが、お酒もお葬式や供養の場で欠かせないものなのでこちらも調べてみました。
葬儀では火葬場から戻った後の初七日法要や、火葬を待つ間の精進落としにて食事を行うなど、お酒を飲む機会が多くあります。
葬儀の場でお酒が使われる背景ですが、古来日本では米が生命力の源泉と考えられていて、米から作る酒には死がもたらす穢れを遠ざけるとされてきました。
とくに葬送儀礼では死に対して生命の源である米や酒を大量に取り込めば、穢れを寄せ付けないと考えられていたようです。
通夜振舞いの食事は楽しむものではなく、参列した弔問客への感謝やお酒を飲むことで穢れを取り払うという意味が込められています。
人に対する感謝を忘れないところなどは日本人特有の文化なのかもしれません。
参考:https://www.e-sogi.com/guide/16777/#i
幻想的なスカイランタンで震災復興
線香花火以外にも追悼イベントとして使われている物がありましたので紹介していきます。
新潟県では震災の復興の想いを込めてスカイランタンを空に放つイベントが行われています。
スカイランタンとは、薄い紙で出来た風船の下に、固形燃料を入れ、火を点けることによって、熱気球の原理で空に燃料を放ったものです。
台湾やアジア諸国では「ランタン飛ばし」と呼ばれており1年の無病息災を祈る人気の行事です。
日本では新潟県の「津南雪まつり」でランタン飛ばしが東日本大震災の復興と鎮魂の思いを込め、2012年に始まりました。
願いを空に放つイベントとして親しまれています。
スカイランタンは国によって意味が違っています。
- 中国:救援(天灯に書かれたメッセージで助けを呼んだ)
- インド:新しい年に向けた希望
- 台湾:神へのメッセージや願いの送信
- タイ:幸運
国によって様々な用途があるスカイランタンですが、最近では見た目のオシャレさから昨年のクリスマスには「空飛ぶクリスマスツリー」という、カラフルなスカイランタンを放つというイベントも行われていました。
出典:https://www.lantern-night.com/
参考:https://www.asianprofile.wiki/wiki/Sky_lantern
おわりに
人の命の儚さや尊さを改めて気づくことができました。
打ち上げ花火に比べると地味な線香花火ですが、燃え方が人の人生を表しているということを初めて知りました。
火は人の命に例えられることがよくあります。
また、亡くなった人のことを星になると例えられることもしばしばあります。
線香花火を通して大事な人を想うことで心に生きた証になるので「線香花火ナイト」はとてもステキなイベントだと感じました。
個人的には打ち上げ花火のようにド派手な華を咲かせる人生にしていきたいものです。
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