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ジビエ活用の基礎基本!飲食店が話題のジビエ活用の前に知っておくべきこととは?

こんにちは!
飲食店の未来を創造する情報をお届けする「UTAGE(うたげ)」です。

今、世間では”ジビエ”という食材が話題になっています。

ジビエと聞くと、なんとなく高級フレンチをイメージされているかもしれませんが、
カレーやラーメン、ハンバーガーなどのファストフードにも使われたりと活用が広がっています。

その背景としては、
・国がPRをしている(農作物被害の原因であるシカやイノシシなどの駆除を促進)
・栄養価が高く低カロリーな食材で、人気が高まっている
という、2点が挙げられます。

また、ジビエという言葉を最近耳にしたひとも多いかと思いますが、実は歴史が古く、
もともとはヨーロッパの貴族の間で食べられていた食文化でした。
ちなみに、日本ではイノシシ肉を使った「ぼたん鍋」などがジビエ料理に当たります。

そんな、最近出てきたようで実は歴史ある食材の「ジビエ」をメニューに導入しようと考えているお店もあるかと思いますが、取り入れるにあたって知っておかないといけない点がいくつかあります。

今後ジビエの導入を考えている飲食店様に向けて、どのようなことを知っておくべきなのかを今回は詳しくご紹介します。

1.ジビエの語源と歴史
2.飲食店でジビエを活用するメリット
3.飲食店がジビエ活用にあたり知っておくべきこと

4.まとめ


1.ジビエの語源と歴史

「ジビエ(gibier)」はフランス語で、狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉です。

その昔フランスなどでは、ジビエを使った料理は自分の領地で狩猟ができるような上流階級の貴族の口にしか入らないほど貴重なものでした。
そのためフランス料理界では古くから高級食材として重宝され、高貴で特別な料理として愛され続けてきました。

(参考:社団法人日本ジビエ振興協会公式サイトより引用)

日本では“獣肉”と呼ばれており、狩猟文化中心だった縄文時代から貴重なたんぱく源として食べられてきました。

明治時代に入ると、文明開化とともに肉を食べる文化が浸透し、猪鍋などが都会で食べれるようになり、加えて欧米からのジビエ料理(フランス料理など)が日本に伝わりました。

そして、現代では、高級フレンチや郷土料理のみならず、カレーやラーメン、ハンバーガーといったファストフードにシカ肉やイノシシ肉などが使われるようになり、ジビエの食文化の幅がより広がっています。

 

2.飲食店でジビエを活用するメリット

ジビエ肉を飲食店で活用することのメリットとしては、以下の2つを挙げます。

①農村地域への貢献
②栄養価がとても高く、美容と健康に良い

まず1つ目は、鳥獣による農作物被害を受けている農村地域に貢献できることです。

貢献できることとしては、具体的に以下の通りです。
・農作物を食いあらすシカやイノシシなどの駆除が進み、被害額を抑えることができる。
・ジビエ需要による地域経済の活性化が期待できる。

2019年現在、野生鳥獣による農作物被害額は年間158億円に上り、シカやイノシシによる被害だけでも、なんと年間100億円にも上ります。

国はこれまでジビエ普及に関する交付金や補助金制度でジビエ活用を促進するとともに、被害の縮小に努めてきました。
さらに被害を抑えるためにも、政府はジビエ肉の利用目標を掲げて活用に力を入れており、2025年度までに2019年比の2倍にあたる4000トンの利用を目指しています。
ジビエ肉を導入する飲食店が増えれば、被害額がより抑えられることが期待できます。

また、農作物被害の低減とともに、”ジビエ地域”の活性化に寄与することができます。
シカやイノシシなどを駆除する猟師をはじめ、それらを解体処理する人や、流通に携わる人たちの所得向上と雇用維持が期待できます。

2つ目は、ジビエは栄養価が高く、美容と健康にいい食材だということです。

下記の表の通り、シカ肉・イノシシ肉ともに高たんぱく、かつ、鉄分やビタミン群も牛肉や豚肉に比べて豊富であることが分かります。
イノシシ肉は豚肉とさほど変わらないカロリー・脂質ですが、鉄分はなんと4倍、ビタミンB12が3倍も含まれています。
加えて、コラーゲンも多く含まれており、美容に効果的ですので、女性にとってうれしい食材です。

一方で、シカ肉は牛肉と比べて脂質が1/6、カロリーは1/2であるにもかかわらず、鉄分は2倍も含まれています。
特に、ヘム鉄と呼ばれる身体に吸収されやすい鉄分が豊富で、貧血や冷え性を予防する働きがあります。
(参考:ジビエト『ジビエを食べると嬉しいこと』)

(出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』)

 

3.飲食店がジビエ活用にあたり知っておくべきこと

そんなメリットの多い食材のジビエ肉をまだ取り入れていない飲食店様が、今後メニュー化する前に押さえておきたいポイントが3つあります。

  1. 仕入れる際の注意点
  2. 調理における注意点
  3. 知っておきたい”国産ジビエ認証制度”

 

1.仕入れる際の注意点

まず、飲食店でジビエを扱う際、食肉処理業と食肉販売業の許可を受けたところから仕入れる必要があります。
「猟師直送」等と謳ったネット販売を利用したり、知り合いの猟師から直接ジビエ肉を仕入れたり、狩猟免許を持つ店主が自ら獲ったジビエ肉を提供したりすることは、すべて食品衛生法上違反となります。

また、加工されたジビエ肉(ハムやソーセージ、カレーなどの調理済み加工品、水煮など1次加工された商品)を使用する場合は、食肉製品製造業許可を得た業者であるかどうかも確認すべきポイントです。

(参考:日本ジビエ振興協会『流通と衛生管理』)
(参考):『料理人は知っておきたい「ジビエ」を扱う際の注意点。人気の背景も解説!』

2.調理における注意点

ジビエ肉には、寄生虫の感染や腸管出血性大腸菌、E型肺炎など食中毒にかかってしまうリスクがあります。
よって、生食は上記の感染リスクがあり大変危険ですので、絶対にやめましょう。
必ず加熱調理して提供してください。
加熱する温度について、肉の中心温度が75℃に達して、1分以上の加熱をすることで、感染は予防できます。
また、75℃以下で加熱する場合は、下記参考URLよりアクセスすると、加熱温度と加熱時間の基準が記載してありますので、必ず参照してください。
(参考:日本ジビエ振興協会『流通と衛生管理』)
(参考:野生鳥獣に関するQ&A(厚生労働省))

加えて、その他に調理場においての注意点について、農林水産省の「野生鳥獣の衛生管理に関する指針(ガイドライン※PDF資料)」には下記のようなポイントが記載されていますので、こちらも必ず参照してください。

  • 色や臭いに異常がある場合はすぐに破棄
  • 調理器具は83℃以上のお湯または次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒する
  • 使用する調理器具をジビエ用とその他の食材用と分ける
  • 保存する際は、他の食肉と分けて保存する。保存温度は10℃以下(冷凍したジビエ肉は-15℃以下)にする。

3.知っておきたい”国産ジビエ認証制度”

国産ジビエ認証制度とは、農林水産省が、ジビエが普及していくにあたって、2018年に、消費者がジビエ肉をいつでも安心・安全に食べられるように制定した制度です。
認証を受けている食肉処理施設から出荷されたジビエ肉を使用すれば、飲食店は”国産ジビエ認証マーク”を使用することができ、提供するジビエ肉が安全であることを証明することができます。
認証施設のリストは下記参考URLよりアクセスすると、確認することができるのでご参照ください。
(参考:一般社団法人「日本ジビエ振興協会『認証施設(認証事業者)一覧』」)
(参考:日本ジビエ振興協会『国産ジビエ認証制度』)

 

4.さいごに

いかがでしたでしょうか。
ジビエはヨーロッパでも日本でも歴史が深い食材ということが分かったと思います。

活用するにあたって注意したいポイントは抑える必要がありますが、メリットがたくさんある今話題のジビエ肉をぜひ活用して、集客アップやお店のブランディング向上に繋げてみてはいかがでしょうか。

これからも「UTAGE」では飲食店様の売り上げ、利益アップに貢献する情報を発信していきます。

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