こんにちは!
飲食店の未来を創造する情報をお届けする「UTAGE(うたげ)」です。
先週の休日、昼食を買いに家の近所を歩いてたら、一台の車に行列ができており、何の行列だろうと気になり覗いてみると「キッチンカー」と呼ばれる移動販売車でした。
キッチンカーといえば、以前はオフィス街やイベント会場などで簡単な料理を販売しているイメージが強かったですが、テイクアウト需要の高まりにつれ、マンション群や住宅街などでも見かけることが増えてきました。
料理の種類も本格的な肉料理や丼物、和食などバリエーションも増え、SNS映えを意識した個性的なキッチンカーも登場しています。
「新しい生活様式」の浸透により、ますます店内で外食しにくくなっていく事を考えると、手軽に購入して自宅にも持ち帰られるキッチンカーのサービスを利用するお客様は増えると思います。
そこで今回は、キッチンカーのメリットとデメリットを説明し、キッチンカーで成功する為の3つのポイントをお伝えします。
キッチンカー開業の3つのメリット
①開業資金を抑えられる
キッチンカー開業の最大のメリットは、「開業資金が低い」ことです。
通常の飲食店を開業する場合、初期投資は300~1,000万円程度かかると言われていますが、キッチンカーの場合は200~500万円程度で、約半分の初期コストで開業することが可能です。
理由は、賃料が発生しないことや、内装・設計費などが通常店舗に比べて容易で必要経費を抑えられるからです。
また、通常店舗は水道・ガス工事で多額の改装費がかかる可能性がありますが、キッチンカーの場合は車両の改造費はかかるものの、車一台分の範囲なので比較的低く抑えることができます。
②集客が見込める場所へ出向くことができる
キッチンカーの強みは移動販売であることです。
実店舗だと、店舗を構えた場所でお客様を“待つ”ことになりますが、キッチンカーであれば、お客様のいるところに自ら出向くことができます。
また、季節や天候、出店する場所に応じて提供する商品を変えることで、集客がしやすくなると考えられます。
若い女性が多いエリアならSNS映えのするスイーツ、オフィス街ならボリュームのある丼物といったように、ターゲットに合わせて提供する料理を変えることができるのがメリットと言えます。
③実店舗を立ち上げる前の準備ができる
キッチンカー開業を始める方の中には、実店舗を立ち上げる前の「ファンづくり」を目的にしている方もいます。
飲食店は、いかにお客様がいる状態で始められるかが成功の鍵だと言われています。
実店舗でイチから集客しようとすると、広告出稿したりチラシを配ったりと相当のコストと労力が掛かりますが、キッチンカーで常連客を増やしておくことで、実店舗を立ち上げた時に来店してもらえる可能性が高いです。
せっかく多額の初期費用を掛けても、お客様がいなくても経営は成り立ちません。
その点、実店舗を立ち上げる前にしっかり準備ができるのは、キッチンカー開業のメリットと言えます。
キッチンカー開業の3つのデメリット
①出店場所を確保するのが難しい
出店場所はキッチンカーにとっての命です。
良い場所に出店することで集客を見込むことができ、売上アップに繋がります。
移動がしやすいというメリットはあるものの、良い出店場所は既に他のキッチンカーに取られている事が多いのも事実。
特に、オフィス街はライバル店がひしめき合っており、その中に飛び込むことは相当の労力が掛かります。
その為、商業施設や学校、企業、イベント会場などに営業活動を行い、出店場所の確保に努めなければなりません。
実店舗に比べて開業のハードルが低い為、今後ますます競争が激化することを考えると、好立地での出店はより難しい問題になると考えられます。
②自治体ごとに保健所の許可が必要である
キッチンカーは「食品営業自動車」という営業分野に当たり、営業許可は各自治体ごとに必要となります。
各自治体ごとに許可が必要ということは、区を跨いでの移動営業が出来きないということ。
例えば東京都内で営業をする場合、「中央区」/「千代田区」/「港区」それぞれで営業許可を取る必要があり、自治体ごとに「許可申請費用」が約15,000円前後掛かります。
また、自由に出店場所を決められるのがキッチンカーのメリットですが、手間と費用が掛かる事を把握したうえで出店戦略を立てなければなりません。
③お客様の信頼を得るのが難しい
キッチンカーは実店舗に比べると、お客様の信頼を得るのが難しいとされています。
初めて見たキッチンカーですぐに購入するお客様は少なく、ほとんどの方は様子見をします。
同じ場所で何度も見かける事で信頼感が生まれることで、一度買ってみようかなと思ってもらえます。
また、キッチンカーは出店場所の都合などで、決まった場所で決まった時間に出店できるとは限りません。
もちろん、月極や長期契約をしていれば話は別ですが、かなりの費用が掛かるので現実的ではありません。
初見でも購入したくなるような工夫が必要ですが、これは実店舗よりハードルが高い事だと言えるでしょう。
キッチンカー開業を成功する3つのポイント
ここまで、キッチンカーのメリットとデメリットについて説明してきました。
開業資金が低く抑えられ、自由な場所に出店できるメリットがあるものの、出店場所を押さえるのが難しく営業許可を取るのも手間が掛かるというデメリットもあることがわかりました。
しかし、テイクアウト需要の高まりにより、キッチンカーは成長産業であることは間違いありません。
そこで、キッチンカー開業で成功している飲食店は、どのような共通点があるのか3つのポイントを挙げます。
①複数の出店場所を確保している
キッチンカーで売上を上げている飲食店は、複数の出店場所を確保しています。
月曜は住宅街でランチ営業、火曜日はオフィス街でランチ営業といった形で、いくつも出店場所を確保することで売れる時に売れる場所で出店することができますし、出店日数が増えれば増えるほど、売上を上げることができます。
出店場所を探すときは、『軒先ビジネス』というサイトがオススメです。
7,000軒以上ある登録スペースの中から、お好きな出店先を選ぶことができるので便利です。
②主力になるメニューがある
キッチンカーはいかにお客様の信頼を得るかが大切なので、一押しのメニューを作ることが大切です。
例えば、「ここでしか食べれないメロンパン」や「SNSで話題のハンバーグ」といったように、お客様の目を引くメニューを用意することで、何を売っているキッチンカーなのかを分かりやすく伝えることでお客様の信頼を得ることができます。
③キッチンカー製作会社を上手く使う
キッチンカーを開業する方の中には、拘りが強すぎてキッチンカーの改造費用を必要以上に掛けてしまったり、反対に費用を削り過ぎて後から再投資が必要になったりと、自前主義で失敗する方も多いです。
その為、キッチンカー製作を専門で行う会社に見積を依頼し、最低限の費用で開業することがキッチンカーで成功する大原則です。
株式会社フードトラックカンパニーは、毎月30台以上のキッチンカーを製作しており、同社の開催しているキッチンカー開業を希望する方向けの説明会には、オンラインとオフラインでの開催を合わせると、なんと1年で10,000名もの方が参加されています。(2021年6月時点)
同社はキッチンカーの製作だけでなく、保健所の営業許可の申請サポートを無償を行ってくれます。
初めてキッチンカーを営業する方にとっては、とても心強いサービスだと思います。
おわりに
今回は、キッチンカー開業について説明してきました。
キッチンカー開業は、開業費用を抑えられることやお客様が集まる場所を選んで出店できるなど、多くのメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。
一方、好立地への出店は簡単ではなく、営業許可を取るのも手間が掛かるなど、デメリットもあります。
しかし、「軒先ビジネス」のようなマッチングサービスを使ったり、キッチンカー製作会社に依頼したりすることでデメリットは解消され、成功する可能性を高めることが出来ます。
今回の記事がキッチンカー開業のきっかけになれば幸いです。
これからも「UTAGE」では飲食店様の売り上げ、利益アップに貢献する情報を発信していきます。
2021年7月2日更新