これは27歳を過ぎた私が、仕事ばかりの日々から、出会いと挑戦の中で女性としての輝きを取り戻していくシンデレラストーリーです。
前回(シンデレラ・オンライン)のあらすじ
月に数回の日勤に奇跡のようなタイミングで訪れた、合コンのお誘い。
ですが、封印されしマスカラの復活や、
解読困難な路線図に手こずり到着の遅れが確定しました。
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「ごめん優子!遅れる…!」
同級生の優子にメッセージを送った私は開いた電車の扉のすき間から這い出るように飛び出しました。
目指すは、とにかく反対方面の電車!
プルルルルル!
階段を駆け上がり反対側へ向かいながら、どこかの電車が出発する合図のベルがなって焦ります…
なめらかに階段を降り目標の反対方面に向かう電車が、
ちょうど出ていくところで扉がしまったところでしたっ!
うぅぅ…
もう!次は何分後なの?!
なかなか教えてくれない電光掲示板に対して八つ当たりしてしまいました。
私ってなんて小さいんだろう。
何十分にも感じた数分が経ち、ようやく次の電車が来てくれました。
待ってたよ、私の電車。
色んな汗にまみれた私と電車の中に居た方たちとの温度差により冷たい目線を感じる気がしますがどーだっていいのです、この際。
30分遅れとかで済むかなぁ?
そんなことを考えながらあと7駅かぁ…あぁ遠いなぁ…
優子には本当に申し訳ないことしたなぁ…また誘ってくれるかなぁ…
飲み会が始まる前から反省会を始める私。
まずは普段からお化粧しとこう…
次に活かす生産的な考え方をすれば精神が持ち堪えてくれそうな気がしました。
そんな風に、自分を責めたり慰めてるうちにあと2駅だ。
駅からどうやって向かうか調べよう。
えぇっと「のむのむ亭 大崎店」と…
ん?
目的地まで40分??歩きじゃなくてまた電車?
うわぁ…
駅名が違ってた…
私が向かってたのは「大塚駅」
優子が待ってる店は「大崎駅」
ここから更に40分掛かる…しまった…(泣)
となると、飲み会が始まってから何十分経つ計算になるの?
考えることも出来ないほどの絶望感に突き落とされました。
というか最初に乗った電車の方向で合ってたんですか…
なんでこうなるんでしょう…
お酒も飲む前なのに、ここから先の記憶はほとんどありませんが、大崎駅についたあとも迷いに迷い…
「ごめんラストオーダーになっちゃう」と優子からのメッセージを見て、
何処かもわからない夜のアスファルトに膝から崩れ落ちました。
こうして私は、出会いではなく、迷い。
1人寂しく、出た改札を戻り、電車に揺られて帰りました。
–
翌朝
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プルルルルル!
電車が発車するベルが鳴り響く、
そんな悪夢にうなされていると、それが会社用の携帯が鳴っている音だと気付きハッとしました、
寝坊?いやいや昨日は最悪の金曜だから今日は絶対に土曜…
時計を見るとまだ7時半じゃないですか…誰ですかこんな朝早くから…
先日サーバーを設置したデータセンターからですか…
「もしもし?」
「おはようございます、朝早くから申し訳ありません、いつものサーバーからネットワークの不具合が出てしまいまして」
「かしこまりました、対応します」
「ありがとうございます、エラーのレポートをメールします、よろしくお願いします」
たしかに常駐のエンジニアでは対応しきれないぐらいのエラーが起きていましたが、遠隔操作により、ものの数分で解決して差し上げました。私にとってはトリックが分かったあとの手品のようなものです。
まもなくデータセンターのエンジニアさんから喜びと称賛のメールが届き、少し得意になってしまいました。
ですが、ふと昨日の大惨事を脳裏によぎると、現実の残酷さはサーバーのエラーとは比べ物になりませんでした。
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通信の接続は繋げる腕があるのに、
恋の接続は繋がる目処が立ちません。
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現実の厳しさで押し潰されそうになっていましたが、まったく別の角度からキッカケを貰い、残念な私の日常は大きく大きく舵を切ることになります。
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それは流行り病の影響で、社内の懇親会がオンラインに切り替わるという業務連絡に始まりました。
そのメールの直後に送られてきた営業部の山尾順子さんからオンライン懇親会幹事の依頼をされるという内容でした。
え?この私が、懇親会の幹事!?
どうしよう…
シンデレラ・オンライン 3rdに続く