◇前回までのあらすじ◇
某大手企業の受付嬢の篠原未來は生まれて初めて幹事をやる事になった。
今まで幹事の共闘仲間である高橋拓人に任せきりだった故に、自分は幹事として力不足だと気付く。
参加者は総勢10名。
頭数は無事集まったものの、初幹事&初BBQのダブルパンチの状況で何をしていいか焦り気味である。
そんな中、後輩のマリンや先輩のみちる、拓人の友達の金子が積極的に動いているのだった。
前回の話はこちら
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◇
BBQ幹事は中盤戦。
序盤は実家が裕福…
いや、大富豪と言えるレベルの刑部翔太君からシャンパンの差し入れを貰って、気持ちがアガるスタートを切れたと思う。
彼をお金持ちと知ったマリンとリカは目に諭吉を浮かべながら、ガンガン彼にアプローチをしていた。
マリンは拓人君狙いじゃなかったのかな?と思いつつ、彼女の気持ちも理解できる。
女って現実的な生物だ。
「そうだ。一通りの食材は焼いて食べたから、残りの食材でアレンジしてみない?」
空気がひと段落したのを見計らったように、牧田は次の提案をした。
牧田の提案したレシピは3つ
・アヒージョ
・鮭とホタテのフランベ
・ガンガン焼き
いずれも調味料を加えるだけだったり、スキレットや入れ物に詰めるものだけで簡単にできるものを選んでくれた。
「パッと出てくるなんてすごいですね。普段から料理はされているんですか?」
ポニーテールが印象的な有川ゆうりが牧田に向けて問いかける。
「はい!流行り病の影響で自宅にいる時間を料理に費やしていました。そしたら凝り性が高じてブログ投稿もするようになりました」
エヘヘと照れ笑いをするベビーフェイスはその場の女性達を虜にした。
元々は料理はからっきしダメだという所から動画を観て一から勉強したのだそう。
未來と同じくゆうりも仕事が出来るが料理はダメなタイプなのか、牧田は魅力的に見えるに違いない。
◇
料理は牧田、牧田の同僚の水橋、マリンが担当した。
アヒージョはスキレットに食材を詰めてオリーブオイルを入れるだけ。
ガンガン焼きも食材を「ブリキ缶」と言われるものに入れるだけだ。
ちなみにブリキ缶はお煎餅や某ラスクのお菓子メーカーの大量詰め合わせが入れられている缶だ。
調味料は調理酒を入れたい所だが、刑部が純米大吟醸クラスの日本酒までも持ってきてくれたようで、それをガンガン焼き用で使用した。
「最後はフランベですね♪あ。未來さん赤ワイン持ってきてくれますぅ?」
マリンは腕の見せ所だと言わんばかりに全員に視線を送ってアピールする。
未來は近場にあった赤ワインをマリンに渡す。
幹事の未來はいつも自分が目立ってしまう分、今日は黒子として徹している姿勢が伺える。
「未來さん、ありがとうございますぅ♪早速焼いていきましょ!」
マリンはスキレットにオリーブオイルを一回り分かけて、そのあとに鮭とホタテを焼く。
これだけでも十分美味しい。
今回はアレンジを加えたいという事でフランベに挑戦するのだそう。
「さぁ、これから一番の見せ場ですよ~!」
表面が少し焼きあがってきた所で、マリンは赤ワインをボトルごと持ってスキレットに赤ワインをかける。
「あ。かけすぎちゃった」
マリンはやってしまったという発言した次の瞬間、
ジャワアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
スキレットは燃え盛る炎に包まれたのだった。
「ぎゃわーーーーー!!!!」
「わ~~~~~~~~!!!」
「水いる?水なの??!!!」
「マリーーーーーーン!!!」
女性陣はお互いに抱き合って悲鳴を上げ、男性陣はどうしよう状態で固まってしまった。
予想外の展開に誰もがその場で固まっている状況だった。
「大丈夫ですか!?」
叫び声と共にスタッフが駆け付けた時は燃え盛る炎は徐々に自然と鎮火していった。
「アハハ…アハハハハハハ!!」
未來を始め、この状況が面白おかしくて皆笑い始めた。
フランベした鮭とホタテは少し焦げているものの、美味しい焼き上がりになっている。
ヒヤリとした空気が一転して、未來は少しだけ心が穏やかになった。
そろそろ後半戦。
まだ全員が全員と喋っていない状況だ。
そこをなんとかしないと。
次回の更新は10月30日☆
参考URL:
豪快!絶品!超簡単!BBQで食べる漁師メシ『ガンガン焼き』
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