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宴結び~オトナ女子のバイブル~ 最終話 運命の再会?それとも新しい出会い?ご縁を紡いでいった先にあるものは…?

【前回までのあらすじ】
リベンジ合コンはネタになる会(?)になったが、深い話ができる女子友達が出来た真理子。
自分自身の出会いのために始めた飲み会の幹事だったが、この出来事をきっかけに飲み会をひらくこと自体が楽しくなっていた。

ーpm7:30ー

真理子:「今日の素敵な出会いにかんぱ~い!」
あのリベンジ合コンから2か月が経っていた。
順調に週1ペースで飲み会を開いている。
今日は「日本酒の会」
交友関係も広がったし、仕事もプライベートも充実っていうのはこのことかしら…?

美紀:「真理子さん!それは違いますよっ」
私の心の声が聞こえたのか、美紀が隣の席に移動してきて言った。
思わずビックリした表情で美紀を見つめる。
今日も相変わらず隙のないきちんとしたメイクだ。
このナチュラル風のメイクが一番手間がかかってるのよねぇ。

真理子:「え?私の心が読めるの?笑」
美紀:「何言ってるんですかぁ?それは私のグラスですよっ」
間違えて美紀のお酒を飲もうとしていたみたいだ。そっと美紀にグラスを渡した。
少し身体が火照っている。やっぱり日本酒は酔いが早いわね…

美紀:「そういえば、これ見ました??」
美紀がおもむろに携帯の画面を顔の前にグイっと突きつけてきた。
真理子:「ちょっと、近すぎて見えないわよぉ」
美紀が見せてくれたのは飲み会のお店選びの時にお世話になっているサイトの画面だった。
美紀:「このお店!良いと思いません?」
真理子:「確かに雰囲気が良さそうなお店ね。へ~、カジュアルフレンチなんだ?今度、このお店に行ってみようかしら。ねえ、美紀も一緒に行く?」
美紀:「わーい♪行きましょう~!赤坂にあるそうですよ!」
ちゃっかりリサーチ済みの美紀にお店の予約は任せることにした。

数日後
ーpm6:30ー

美紀:「早めの時間に美味しいご飯を食べれてお酒を飲めるなんて最高~」
真理子:「ノー残業デーにスケジュールを合わせるなんて流石ね。予約ありがとう」
美紀:「このお店ゴールデンタイムは予約取れないくらい人気なお店らしいですよっ」
真理子:「そうなのね、なおさら楽しみだわ」

「いらっしゃいませ~」
。。。

真理子:「えっ??!!…勝さん?!」
そこにいたのは真理子が23歳のころに付き合い始めた、6つ年上の元彼「勝(まさる)さん」だった。
当時、勝さんは会社の先輩であり、彼は真理子にとってイニシエーションラブ、通過儀礼的な経験をさせてくれた人でもあった。
勝さんは飲食店を経営したいという夢を叶えるために会社を辞めた。
そして私たちはお別れしたのだ。

勝:「おー!真理子?!久しぶりだなぁ!何年ぶりだ?」
真理子:「5年ぶりかな?え!このお店って勝さんのお店?」
勝:「そうだよ。そうか~、あれから5年経つのかぁ。真理子、綺麗になったな。大人の女感が漂ってる」

「綺麗」と言われて一瞬どきっとした。

真理子:「勝さんも相変わらずかっこいいですね。飲食店オーナーっていう貫禄が漂ってます」
5年ぶりに会った勝さんは、少し胸板が厚くなっていて、白シャツに腰に巻いたサロンエプロンが良く似合う体格になっていた。

美紀:「えー!?長谷川さーん!お久しぶりですぅ〜、ここ長谷川さんのお店なんですねっ!覚えてますか?真理子さんの後輩の神崎です!」
勝:「おぉ!もちろん覚えてるよ!久しぶりだな~」
真理子:「人気のお店って聞いてたけどまさか勝さんのお店だったとは、すごいですね!お店のこと連絡くださいよ。私からは連絡しづらいなと思って」
勝:「店は最近やっと軌道に乗り始めてきたとこだよ。真理子には落ち着いてから連絡しようと思っててさ」
久しぶりの再会は5年の歳月が経ったとは思えないくらいナチュラルなものだった。
話は弾み、この数か月の真理子の活動(飲み会幹事)のことが話題の中心になった。

勝:「なるほどな!自分でご縁を広げようってことか~。で、進捗はどうなの?」
真理子:「飲み会きっかけで付き合い始めましたよ~。ま、私の周りの友人の話ですけどっ。笑
私自身は飲み会を開くこと自体が楽しくなっちゃって」
勝:「相変わらず変わってるなぁ笑」
ーそういうところは昔と変わってないんだなぁ。

美紀:「そうなんですよぉ。でも、なんだか毎日楽しそうですよね、真理子さん♪」
真理子:「そうなの。すごく充実感があるんだぁ。飲み会に参加した人からかった~、また宜しくっていわれると嬉しくて」
勝:「なるほどね。店やっててもそれは一緒だな。お客様が楽しい時間を過ごしているのを見ると嬉しくなる。真理子、いきいきしてて良いな」
真理子:「はい♪勝さんも充実している感じですね。再会出来て嬉しいです」
勝:「じゃそろそろ仕事に戻るわ。ゆっくりしていってね」
真理子:「ありがとうございます」

勝の後ろ姿を見ながら微笑む真理子。
それを見つめる美紀。

美紀:「真理子さん、元カレとの偶然の再会ってなんだか運命的じゃないですか?♡」
真理子:「そうね。なんだか懐かしい気持ちにはなったけど、もう恋愛感情は無くなっていたかな~」
美紀:「そりゃそっか~、5年も経ってますもんね」
真理子:「うん。それに新しい出会いの方がなんだかワクワクしない?」
美紀:「うーん。たしかに?じゃまた新たな出会いに期待ってことで乾杯しましょ」
真理子:「そうね♪かんぱーい!」

ガールズトークに始まり、飲み会の計画を立てたり、まじめに仕事の話をしたり、結局また恋愛話に戻ったりと大いに盛り上がり、いつの間には時間が経っていた。

ーpm8:00ー

仕事を終えてこれから飲み始める人たち、2軒目へ移動する人たちで、夜の赤坂は賑やかになってきた。

真理子:「あ~美味しかった~!そろそろ帰ろっか」
美紀:「ですね!ほんと楽しかった~。帰りますか!…ちょっ!真理子さん、見ました?今お店に入ってきたあの2人組、カッコ良くないですか??」

美紀の視線の先にはスーツを来た爽やかな男性が2人いた。
一人は30代半ばとも見えるグレーのスリーピースのスーツにジムで鍛えてそうな体つきの男性。
もう一人は20代半ばくらいで、紺色のスーツが清潔感漂っていた。おそらくグレーのスーツ男性の部下と思われる。

真理子:「美紀、あのグレーのスーツの人がタイプでしょ?」
美紀:「わかりますぅ?さすが真理子さん!わたしのどタイプ♡あ、長谷川さんと談笑してますね!知り合いなのかな?」
真理子:「勝さんに紹介してもらう?笑」
美紀:「ぜひ!真理子さんお願いします!!」

ほろ酔い気味の真理子はいつもより気分が大きくなっていた。
勝がこちらに歩いてきたタイミングで先ほどの2人について聞いてみた。

勝:「あの2人は広告会社の営業マンで、このお店の担当なんだ。とても親身に相談にのってくれて助かってるよ、今日は仕事終わりで飲みに来てくれたみたい」
真理子:「そうなんですね。素敵な関係ですね。…突然こんなことを勝さんにお願いするのはなんですけどぉ…あの2人を紹介してくれませんかっ?」
美紀:「そのぉ。私がどタイプでして、あの2人と一緒に飲めたらなぁって思ってるんですっ」
心なしか少し上目遣いになる美紀。

勝:「いいね~!肉食女子っぽくて笑 ちょっと聞いてみるよ」
数分後、勝の計らいで相席させてもらうことになった。

グレーのスーツの男性は、「紘一」(34)という名前で、美紀はすぐに「タイプです!」と真正面から告白していた。
そんな美紀を笑って見ていると、紺色のスーツの青年が話しかけてきた。

拓真:「真理子さんと美紀さんって仲良くて素敵ですね。一緒に飲めて嬉しいです♪」
彼の名前は「拓真」(24)。人懐っこい性格で先輩の心をつかむのが上手そうだなというのが第一印象だった。

拓真:「なんだかご縁ですよね。ボク一期一会って言葉が好きなんです」
真理子:「そう!ご縁ってあるのよね。わたしも一期一会って言葉は素敵だ思う」
拓真は話を聞くのが上手で、いつの間にか拓真との話が弾んでいた。

数か月後…

真理子:「ごめんね~!お待たせ~」
拓真:「お仕事お疲れ様です!今日行くお店も期待しといてください♪真理子さん絶対気に入ります」
真理子:「そんなにハードル上げて大丈夫?期待してるね」

勝のお店で出会った後、真理子と拓真は仕事終わりに食事に行く仲になった。
しばらくして、拓真から告白され、2人は付き合い始めた。
いつものように仕事終わりに軽く飲みに行った日だった。
待ち合わせ場所で合流したときに、「今日は言いたいことがある」と言って少し緊張した表情だったっけ。
わたしの「人付き合いを大切にするところ」に惹かれたそう。

(真理子):拓真くんと出会った時にはまさかお付き合いするとは思ってもみなかったな…

振り返ってみれば、飲み会の幹事をするようになってから色んな出会いに積極的になった気がする。
友達も増えたし、こうして彼氏もできたし、ほんと「ご縁」ってあるんだなぁ。

出会いは人によって運ばれてくる。
身近な人とのご縁を大切に
そして、その人とのご縁を紡いでいった先には可能性が広がっている。
新たな自分にも出会えるかもしれない。

ご縁を大切にしている人には、明るい未来が待っていると信じている。

Fin.

▼前回の話はこちら▼
http://57.180.186.170/2020/07/24/kanjimusou16/

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