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幹事サバイバル 最終話「飲み会幹事から広がる可能性」

~前回までのあらすじ~

会長の息子が来年度に営業部1課に入社するということで、飲み会商事営業部の新人歓迎会が人事部の中で話題になっていた。

新人歓迎会の幹事は営業部1課、2課から代表1名を選出し、営業全体の投票で決められると、さとしは2課の課長から言い渡された。
さらに2課の課長はさとしではなく、1課の木村たけるに投票すると言うのだ。

困惑するさとし。
そんなさとしに同期の北川ユイから救いの手が。
ユイのアドバイスによって、飲み会の幹事にとって大切なことに気づき始めたさとし。

3つ目のアドバイスをユイはさとしに話し始めようとしていた。

社長が参加する営業部の新人歓迎会まであと3ヶ月…

【2020年3月 PM12:40 社員食堂】

昨年末の忘年会の幹事に対するさとしの振り返りを聞いたユイが、さとしに問いかけたのは3点。

・忘年会に参加するのは課長だけじゃない
・課長はどんな忘年会にしたいと思ったか
・先輩たちはさとしみたいに独身の方ばかりではない

そして、さとしはこれまで2つのことに気づくことができた。

・参加者全員に喜ばれるお店選びをする
・どのような過ごし方を飲み会中に参加者がしたいのか、考えて振るまう

生き生きとした表情をみせるさとし。
昼休みも残りわずかとなっていたが、話に夢中で大好物のエビフライも手つかずのままであった。

自分のせいでご飯が食べられなかったと、後からさとしに怒られるのではないかと心配しつつ、3点目の”先輩たちはさとしみたいに独身の方ばかりではない”について、ユイはさとしに話し始めた。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「さとし君の生き生きした顔が見れてうれしいな♪」
「今のさとし君ならみんなに喜んでもらえる飲み会が開けそうだね♪」
「あとね、最後に1つ!わたしが感じたこと伝えてもいいかな?」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「おう!何でも言ってくれ!」
「ユイの言葉なら素直に聞けるような気がするから!」[/speech_balloon_right1]

ユイの言葉なら…
不意をつかれたユイは思わず頬を赤らめてしまった。
さとしの何気ない言葉に、さとしが全幅の信頼を寄せてくれていることがわかり、ユイにはとてもうれしく感じられたのだ。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「え、えっとね。さとし君、昨年の忘年会の参加費は5.500円って話してたよね?」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「ああ、そうだよ!」
「おかげで美味しい料理を食べることができたし、先輩にも好評だったよ♪」[/speech_balloon_right1]

やっぱりさとしは何も感じていないんだなと、ユイは思った。
言葉を選びながらユイはさとしにふたたび話し始めた。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「さとし君って確か実家に住んでたよね?」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「うん。それがどうかした?」[/speech_balloon_right1]

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「同期のみんなやお友達と飲みに行く時、お金の心配したことってある?」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「いや、あまりないかな。家にお金を入れてるとはいえ、それほどふだんの生活にお金を使わないからな!」[/speech_balloon_right1]

なんでこんなこと聞くんだろうと不思議に思いながら、さとしはユイの質問に答え続けた。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「じゃあね、先輩たちのことはどう思う?」
「先輩の中には結婚されてたり、一人暮らしの方もいるんじゃない?」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「たしかにそうだな。地方から上京してきた先輩が多かった気がする。」
「ん〜、それが何だって言うんだよ!」[/speech_balloon_right1]

しびれを切らしたさとしは、思わずユイに対する口調が強くなってしまう。
それでもユイは動じずにさとしに答えた。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「はっきり言うね。参加費の5,500円は人によっては高いと感じる金額ってことなの。」
「もちろん、悪いと言っているわけではないの。場合によって参加費の金額を考えたほうがいいと思うよ!」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「…そのとおりだな。」[/speech_balloon_right1]

さとしは先輩たちから参加費を集めたときのことを思い出していた。

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「たしかに先輩たち、笑いながら5,500円は高いなぁ!せめて、5,000円にしてくれよ!って冗談っぽく笑いながら話していた…」
「そのときは気にもしなかったけど、あれ、本心だったのかもな…」[/speech_balloon_right1]

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「もちろん忘年会は年に一度のイベントだし、普段選ばないお店を選ぶのも一つだと思うの。」
「ただ、さとし君はふだんから参加費の金額について何も考えてないような気がして…」[/speech_balloon_left1]

ユイは言い過ぎたかなと申し訳なさそうな表情を浮かべた。
しかし、さとしは逆にユイに笑顔を見せたのであった。

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「ユイ!本当にありがとな!」
「なんでおれ、参加費のことをこれまで考えてこなかったんだろうな!」
「ユイのおかげで、また大切なことに気づけたよ!」[/speech_balloon_right1]

今のさとしは1課のたけるとの勝負のことよりも、みんなに楽しんでもらえるような飲み会を開くことや、自分の成長を示せるかもしれない、という期待にワクワクしていた。
そんなさとしにとって、ユイからのアドバイスはとてもありがたく感じられたのだった。

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]こさとし「よし!まずは4月の2課の決起飲み会でさっそく実践してみるよ!」
「まだ昼休みも10分ある!店選びでもするか!」
「ユイ!おれのエビフライ食べてくれ!今日のお礼だ♪」
「じゃあ、またな♪」[/speech_balloon_right1]

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「あ!ちょ…さとし君っ!」
「もう、なんなのよ…そろそろわたしの気持ちにも気づきなさいよ!」
「…他の人と付き合ってもしらないからね!」[/speech_balloon_left1]

自分の気持ちに気づく気配をみせないさとしにモヤモヤしつつも、楽しそうにしているさとしを見てユイはうれしく思えた。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「さとし君、がんばれ!」[/speech_balloon_left1]

【2020年7月 新人歓迎会後】

さとしは見事に新人歓迎会の幹事に選ばれ、参加者全員に満足してもらえることができた。
さらに、飲み会の幹事として学んだ、

・相手の目線にたって物事を見る思考力
・人に喜んでもらえることのおもしろさ、やりがい
・部署のみんなからの信頼を得る

を仕事にも活かし、結果として同期の中で1番早く、役職に就くほどまでに成長していくのだった。

そして3年後。

【2023年4月 日曜日 〇〇駅改札前】

全てはあの新人歓迎会から始まったんだ。

後輩ができるまでの間に幹事をやってみて本当によかった。
ユイのアドバイスを素直に聞いて本当に良かった。

みんなが面倒くさくて敬遠しがちな幹事だけど、みんなのためにと思ってやってきた事が、まわり回って自分に返ってきた。

なんだか人生を無双するためのヒントを幹事から得られた気がする。

お、いたいた♪

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「お〜い!ごめんごめん、待たせちゃったな!よし、行こうか♪」[/speech_balloon_right1]

[speech_balloon_left1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]ユイ「もう、また遅刻?次、もし遅刻したらさとしのおごりだからね!」
「それより、今日はちゃんとデートプラン考えてきてくれたんでしょうね?」[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「おう!まかせとけって♪楽しみにしててよ♪」[/speech_balloon_right1]

さとしの成長物語はまだまだ続く。

〜fin〜

 

 

▼前回の話はこちら▼

http://57.180.186.170/kanjimusou9/

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