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クリスマスに起こった奇跡!?思いがけず思い通りに恋は進んでいく!第3話

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あらすじ

念願の初詣デートに出かけた亮太と宏美。
デートは終始いい感じだったが、宏美は仕事の準備があるからとディナーの前に帰ってしまった。

「またすぐ会えるからいいか。」
と考えていた亮太だか?

〜初詣、2日後~

カタカタカタカタ…
部屋の中にキーボードを叩く音が響く。

「はぁ〜…」
と宏美は時折り長いため息を吐いていた。

「やっちゃったかなぁ〜…」
会議の資料を作成するため、亮太との食事を断ってしまった。
(だって、ディナーに行くとは聞いてなかったし、資料を作らないといけないのは本当だったし…)

とあれやこれやと自分を正当化する理由を頭の中で並べ立てる宏美であった。
しかし、食事を断ったことをここまで気に病むとは、正直自分でも思っていなかった。

初詣の時に、お気に入りの髪留めを亮太に褒められてから、亮太の良いところがどんどん宏美の意識に入ってきていた。

(それにしても…)
(楽しかったなぁ、初詣。亮太さんみたいな人が彼氏だったらいいのになぁ…)
(でも…やっぱりダメだ。)

宏美は生まれてこの方、自分から好きになった人と付き合ったことがなかった。
告白されて付き合うことはあっても、自分から好きになって告白した恋愛はことごとく失敗に終わっていた。
このことは、トラウマとなり宏美を縛りつけるように殻の中に閉じ込めてしまっていた。

宏美は過去に2度自分から告白したことがあったが、2度目の失敗を経験した時から、自分から気になった人とは距離をとるクセがついてしまったようだった。

元々惚れやすいところもあったが、気になる人ができては距離を取る、を繰り返していた。
2度あることは3度ある。と捉えてしまい、中々3回目の告白に踏み切れない。

今回、亮太からのディナーの誘いを断ったのもそのクセが顔を出したのだと思っていた。
今までと同じ。距離をとって少し時間を置けば大丈夫だと思っていた。

しかし…

「はぁ〜…」
とまた長いため息を吐く宏美であった。

ウダウダ巡っていた宏美の思考を、スマホの着信音が遮った。
クリスマスの合コンで幹事だった古田からだった。

『どもー!古田でーす!』
「あ、どうも。こんにちは。」
『あれ?なんか元気ない?なんかあった?』
「実は…」

と事の次第を古田についつい話してしまう宏美。

『そうなんだー。なぁんだ。せっかく宏美ちゃんを飲みに誘おうかと思って電話したのに、こんなノロケ話を聴かされるとはねー』
「ちょっと!私はノロけてなんか…」
(いるのかもしれない…)
と瞬発的に考えてしまう宏美。

『そこまで気になってるなら、思いを伝えるべきなんじゃないかな?亮太はちょっと鈍そうだし(笑)』
「でも、私自分から告白すると絶対失敗するんだもん」
『あぁ、でもそれってまだ2回でしょ?オレなんか、もう両手両足で数えられないよ?(笑)』
『それにさ、3度目の正直って言葉もあるし、3度目で変わるチャンスかもよ?』
と言いくるめられるようにこの電話は終わった。

(3度目の正直、か。)
(確かに古田くんの言うように、ものは考えようなのかな…)

少しではあるが心が軽くなった気がした宏美は、亮太とのLINEを開き、一昨日先に帰ってしまったことを謝罪する宏美のメッセージに、『いや、別に大丈夫だよ。また。』とそっけない亮太の返信で止まっていたやりとりを、動かすことにした。

『お疲れ様です!間が空いちゃってごめんなさい🙏無事に会議は乗り切れました♪また近々ご飯行きませんか?』
とメッセージを送ったが、中々返信は来なかった。

〜1週間後〜

宏美は半ば諦めていた。
既読も一向につかない亮太とのLINEを開いては閉じてを繰り返して、早いものでもう1週間が経過した。

(今日返信が来なかったら、一度電話してみよう!)
とその日の仕事終わりには思うのだが、中々実行出来ずにいた。

家に帰り、今日もスマホを前にうーん、と唸っている。
(でももう、1週間も連絡ないってことは、そういうことだよね…)

どうやら、私の3回目の挑戦は、儚くも『2度あることは3度ある』に終わりそうだ。
なんてことを考えながら、凹んで床にめり込みそうなメンタルを必死に誤魔化そうとしていると、不意にLINEの通知オンが鳴った。

なんと、亮太からのメッセージだった。

『返信大分遅くなりごめんなさい。ここのところずっと仕事漬けで💦ご飯ぜひ行きたいんだけど、まだ仕事が落ち着かなくて。今からちょっと電話とかで話せたりしますか?』
というものだった。

宏美は即座に、
『お疲れ様です!全然大丈夫です🙆‍♂️電話今からでもできます!』
と返信した。

ついさっきまで鉛のように重たかった心が、今は掴んでいないとどこかにいってしまいそうなほどフワフワしている。

『もしもし?』
「あ、お疲れ様です!」
『全然連絡してなくて、ごめんなさい。』
「あ、ホント全然大丈夫ですよ!」
『ありがとう。メッセージもありがとう。ご飯ぜひ行きたいんだけど、まだちょっと仕事が落ち着かなくて。今日も徹夜になりそうなんだ💦』
「それは大変ですね…あんまり無理しないでくださいね。」
『あはは。ありがとう。来週末あたりまでは忙しくなりそうなんだ。だから、14日くらいだと大丈夫かも。14日の夜7時とかでどうかな?』
「14日ですね?わかりました!空けておきますね♪」
『ありがとう。なんか元気出たから、もうひと仕事がんばります。遅い時間にごめんなさい。』
「いえいえ!こちらこそです♪楽しみにしてますね!」
『…じゃあ、また…』

と亮太が電話を切ろうとした時、

「あ!あの!」
『ん?』
「あ、いや、お仕事かんばってください♪」
『あぁ、ありがとう。がんばります。』

亮太はそう言って電話を切った。

(もう少し話してたかったな。)
(14日かぁ〜。待ち遠しいなぁ。)
(ん?14日?)
(2月…14日?)

「バレンタイン!!」
と1人の部屋で大声をあげてしまう宏美。
電話の中ではテンパっていて気づかなかった。

バレンタインじゃないか。とその時、ちょっと前に古田に電話で言われたことを思い出した。

『思いを伝えるべきなんじゃない?』

(そうか…そうかもしれない。バレンタインで告白してみよう!)
そう決めた宏美はバレンタインまでの2週間、入念に準備を進めていった。

~2月14日、18:30~

待ち合わせ30分前。

「ちょっと早く着き過ぎたかな。」
宏美は時計を見ながら呟いた。

待ち合わせの場所は前と同じ駅だった。
前回亮太が誘ってくれたお店に行こうということになったのだった。

(ちょっとカフェで時間をつぶそうっと。)

待ち合わせの7時まで、近くのカフェで心を落ち着かせることにした宏美。

(落ち着け、落ち着くのよ。)

用意してきたバレンタインのプレゼントを確かめながら、宏美は自分に言い聞かせていた。

(う〜…やっぱり緊張する!こういう時って時間が長過ぎ!)
(どうやって話を切り出すのかをおさらいしておこう。)

あれやこれやと考えを巡らせているうちに、亮太からLINEが届いた。

『ちょっと早目に駅につきました。ゆっくりでいいので、着いたら教えてください。改札前にいますね。』
「私も早目に着いちゃいました!今改札向かいますー!!」

と宏美はすぐに返信した。

カフェを出て、改札へ走る宏美。
改札の前で手を振る亮太を見つけると、先ほどまでの緊張は解けて、

(今日は亮太さんと過ごす時間を楽しもう!)

と考えていた宏美であった。

「予約の時間までちょっと時間あるね。ちょっとその辺散歩でもしますか。」

と亮太に言われ、散策することとなった。

前回と同じで、会話は弾み、あっという間にお店の予約の時間となった。

「おっと、もうこんな時間か。そろそろお店に行きましょうか。」

そう言われて、宏美は少し黙っていた。
この一緒に談笑しながら歩いている時間で、宏美の覚悟は決まっていた。

(今だ。)

「あの、その前に話があるんです。」
「え?話って…」
「今日はバレンタインですよ?女の子から話があるって言ったら、決まってるじゃないですか。私、亮太さんが好きです。よかったらこれ、受け取ってください。」
と宏美は用意していたプレゼントを亮太に渡した。

「えっ!?…ありがとう。中見てもいいかな?」
「ど、どうぞ!」

小綺麗な紙袋から取り出されたのは、アンティーク調の小物入れだった。

「あ、小物入れの中身は普通のチョコなんで、よかったら後で食べて下さい。」
「ありがとう…」

と言ったまま黙っている亮太。
痺れを切らした宏美は、

「あ!あの、すみません!いきなりこんなこと言われても困りますよね!やっぱり、さっきのなし!忘れてくださ…」
と言いかけた宏美は、亮太に抱きしめられていた。

「僕も同じ気持ちです。宏美さんのことが好きです。付き合えたらいいな、と思ってた。」
「ほんとに…?」
「ほんとです。」
「よかった。嬉しいです。」

少し間が空き、ハッとした亮太は、宏美を離し、

「あ、ごめん。いきなり…」
「全然です!」
「実は、僕も宏美さんに渡したいものがあって…」

そう言って亮太がおもむろにカバンから取り出した紙袋は、見覚えがある袋だった。

「あれ?これって…」

袋を渡された宏美が中を確かめると、そこには宏美が渡したものと同じ小物入れが入っていた。

「実は僕も今日、宏美さんに告白しようと思ってたんだ。いろいろ考えて、結局いつもの雑貨屋でこれを見つけて…」
「似た者同士なのかもしれないですね!」

と宏美が言うと、

「そうかもしれないね。」
と亮太が答えた。

手を繋ぎながら、お店に向かう2人。
亮太の手のひらは、汗をかいていた。亮太は亮太で、どのように話を切り出そうかと緊張の糸を張り詰めていたようだった。

この2人の物語は始まったばかりですが、似た者同士きっとうまく行くのでしょう。


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「Coiラボ」は、今後も日常の中で発展したご縁や、新しい出会いに繋がる気付きをストーリーを通して発信していきます。

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