~前回までのあらすじ~
同期の木村たけるがいる営業部1課に会長の息子が
来月入社するということで、飲み会商事営業部の
新人歓迎会が人事部の中で話題になっていた。しかも幹事におれかたけるのどちらかが選ばれるって?
状況が飲み込めないさとしは、自分に起きようとしていることを知るために会社へといそいだ。
2020年3月 月曜日 AM 8:45 飲み会商事営業部2課オフィス前
いったいどうなっているんだ?!
先輩たち、おれには何にも教えてくれないじゃないか。
会長の息子だからってたかが新人だぞ!?
同期の人事部北川ユイから告げられた新人歓迎会。
幹事さとしは事態を飲み込めないまま、営業部2課のオフィス前に
たどり着いた。
先輩たちに聞いてみよう。
とにかく事実を確かめないと。
月曜日から仕事どころじゃなくなってしまったよ…
[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「おはようございます!」[/speech_balloon_right1]
大きな声ですでに出社している先輩たちにあいさつをする、幹事さとし。
先輩A「お~。さとし。おはよう!今日も元気だけはいいな!」
先輩B「さとし、今週もよろしくな!」
営業部2課は社員同士の仲が良く、営業部1課と
成績で張り合う中でも、風通しの良い雰囲気の職場である。
幹事さとしのあいさつに先輩たちは次々笑顔で応えていった。
[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「先輩!人事部の同期から聞きましたよ!次の新人歓迎会のこと、なぜ教えてくれなかったんですか?!あんまりですよ!」[/speech_balloon_right1]
幹事さとしは思わず、先輩たちにくってかかってしまった。
先輩A「さとし、いきなりどうしたんだよ?」
先輩B「そうだぞ。次の新人歓迎会って6月の話だろ?教えても何も
おれたちにもお前がなぜそんな必死なのかわからないよ。」
幹事さとしは先輩たちの困惑した表情をみて気づいた。
先輩たちは知らないのだと。
飲み会商事の会長の息子が営業部1課に配属されることも、
営業部の新人歓迎会が人事部から注目されていることも。
2020年3月 月曜日 AM 9:00 飲み会商事営業部2課オフィス
いけない!
朝礼が始まる時間だ。
席に戻らないと。
幹事さとしは慌てて自分の席に戻った。
それにしても先輩たちも知らないってどういうことだ?
ユイのやつ、おれをからかって嘘をついたのか?!
いったい…
心の中で自問自答していると2課の課長が朝の伝達事項を社員に伝えはじめた。
[speech_balloon_left2 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]課長「以上が本日の伝達事項だ!みんな、今週も頼んだぞ!」[/speech_balloon_left2]
2課一同「はい!よろしくお願いします!」
課長は仕事の面でも人としての面でも、2課の社員全員から尊敬されている。
あれはおれが入社して半年ほど経ったころ、初めてのプロジェクトで仕事の進め方がわからず、毎日残業していたときだった。
ある日、課長と退社する時間が偶然同じだった。
そのときにかけてもらった言葉を今でもはっきり覚えている。
[speech_balloon_left2 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]課長「くじけずにがんばれ!今やっていることが報われるときが
いつか必ずくる!」[/speech_balloon_left2]
課長は部下が50人以上いるにもかかわらず、新人のおれのことまでしっかり見ていてくれているのが伝わってきた。
他の先輩たちにも課長に背中を押してもらった経験が
きっとあるはずだ。
まだ30代後半にも関わらず課長を務めていることも、
誰もが納得のいくものだ。2課の社員が一致団結している
一つの理由は間違いなく課長の存在だ。
おれも早く課長みたいなカッコいい人になりたいよ。
と、課長にほれぼれしていたときに幹事さとしは意外な人物から呼び出された。
[speech_balloon_left2 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]課長「さとし!いまちょっと時間いいか?」[/speech_balloon_left2]
さとしを呼び出した課長、2課の社員たちは
一瞬それぞれに顔を見合わせた。
ただそれは一瞬のことで、社員はそれぞれ自分の仕事をし始めた。
[speech_balloon_right1 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]さとし「課長!なんでしょうか?」[/speech_balloon_right1]
おそるおそる課長のデスクの前に立つさとし。
[speech_balloon_left2 user_image_url=”http://57.180.186.170/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]課長「お前に大事な頼みがある。これはお前にしかできないことだ。よく聞いてくれ。」[/speech_balloon_left2]
課長は真剣なまなざしでまっすぐさとしを見つめている。
息をのむ幹事さとし。
次の瞬間、課長の口から驚きの内容が告げられた。
To be continued…
幹事サバイバル 第1話「新人歓迎会の幹事」
http://57.180.186.170/kanjimusou1/