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ジンジャーエールの甘さは青春ファーストキスの甘さと同じ 1話

この物語は普通の男子高校生が背伸びをして、女教師へ淡い恋心を描いた甘酸っぱいストーリーである。
高校2年生の僕は、人生で大きなチャレンジを今か今かとしようとしていた。
小学生の頃から気になっていた人に今から告白すると決めているのだ。
約束の時間まであと15分、胸の高鳴りは最高潮に達していた。
喉もカラカラで自然と自販機を探してしまう。
すると、近くにコンビニがあった。
僕は迷わず飛び込んで、大好きなあの飲みのを手にした。
ジンジャーエールである。
不思議と人生の節目でこの飲み物と共にある。
ジンジャエールを手にすると、小学生のあの時を思い出す。

-小学生の頃-

もの心ついた時から、コーラよりもジンジャエールが好きだった。
なぜなら強めの炭酸とスッキリとした後味がたまらないからだ。
元々炭酸が好きだったのもあるが、その中でもジンジャエールが飛び抜けて好きだった。
炭酸の飲み物といえば、ほとんどの人がコーラを思いつき、子供が好きそうな飲み物と連想するであろう。
だけど僕は、不思議とコーラではなくいつもジンジャエールを手にしていた。
きっかけは僕が小学1年生の頃、当時姉が通っていた高校の文化祭に初めて参加した時かもしれない。
姉が通っている高校は結構なマンモス高で、小学生の僕にはより大きく感じた。
文化祭ともなると校門から装飾が施されており、まるで遊園地に来ているみたいでワクワクした。
「す、すごい、、」
最初は暇だったから、興味本位で母について行っただけだった。
あまり多く話すタイプだった訳ではないが、行動力はあった方だと思う。
母に連れられて姉の教室の前まで来た。
教室は飾りが施されていて、学校全体が浮き足立っている感じがした。
7歳の小学校1年生にとって、高校生はとてつもなく大人に見えた。
身長も自分よりはるかに大きいことに加え、制服を着ている姿は威圧感がものすごかった。
「自分もこうなれるのかな、、」
そう思うと子供ながらにちょっと感慨深かった。
母と一緒に教室の前にいると、姉が声をかけてきた。
「おはー、お母さんとひろゆき来てたんだ。」
姉は頭にとんがり帽子を被っていた。
いかにもパーティー仕様だった。
「まいー!もしかして、目の前にいるのまいのお母さんと弟ー?」
姉の隣からカラッと明るい声が聞こえてきた。
「ちひろ!そうだよー、私のお母さんと弟だよー。」
「初めましてー、ちひろです、よろしくお願いします。」
姉の友達のちひろさんは、とにかく笑顔がステキな人だった。
第一印象は3年続くと言われているが、ちひろさんの笑顔は間違いなく3年以上は続きそうだった。
「ねー、君は何ていう名前なの?」
ちひろさんの方からフレンドリーに話しかけてきた。
「ひ、、ひろゆきです。」
ちょっと緊張しながら答えた。
名前を言うだけで緊張したのは、あの時が最初で最後だったと思う。
「そうなんだ!素敵な名前だね。」
満点の笑顔をしているちひろさんの顔を見て、少しドキッとしてしまった。
「そんな君にはこれをあげよう!」
ちひろさんは僕にジンジャエールを渡してきた。
「私、ジンジャエールが好きだから君にもあげる。」
受け取る瞬間、僕の手とちひろさんの手が一瞬触れた。
ジンジャエールはキンキンに冷えていたが、ちひろさんの手はそこから温もりを感じるほど、温かかった。
「まいとひろゆき君って、目元がそっくりだよね!」
「そうなの!家族と一緒にいるとよく言われる。」
姉とちひろさんの仲が良いのがやり取りからすぐ分かった。
「あ、ごめん、そろそろ自分のクラスに戻らないとけない時間だ、、」
「そうだよね、、それじゃー!」
「うん、バイバイ!」
さっそうと立ち去る姿からもちひろさんの明るさを感じた。
「ちひろさん、、」
気付いたら、手に持っているジンジャエールを強く握りしめていた。

-高校2年の春-

高校2年生になると、周りが進路について真剣に考え出す。
僕が通っていた学校は一応進学校を謳っているので、ほとんどの生徒が大学へ進む。
僕もそのうちの1人かもしれない。
ただ、将来のことについて考えたことは一度もない。
やりたいことやなりたい職業があるかと聞かれても答えられないのが現実である。
進路指導の先生に相談しても意味がないことは自分でも分かっていた。
「なんか、面白いこと起きないかな、、」
普段の口癖はこれだ。
放課後グラウンドを見るといつも運動部が真剣に練習を取り組んでいる。
その姿には憧れはあるが、どこか自分とは違うと思ってしまう。
「俺も何か部活しておけば良かったのか、、」
と後悔してしまう時がある。
光の周りには影があるというが、自分は間違いなく影だ。
しかも何もチャレンジしていない影だ。
自分でも分かっているが、言い訳をしたくなる自分がいた。
そんな中、高校2年生の新学期を迎えてしまう。
ちょっと憂鬱な気分だった。
だが、今の自分は知るよしもなかった。
これから起きる奇跡の物語を。


第2話はコチラ

「Coiラボ」は、今後も日常の中で発展したご縁や、新しい出会いに繋がる気付きをストーリーを通して発信していきます。

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