シンデレラ・オンライン 3rd

これは27歳を過ぎたわたし(高田美紀)が、仕事ばかりの日々から、出会いと挑戦の中で女性としての輝きを取り戻していくシンデレラストーリーです。

シンデレラ・オンライン
シンデレラ・オンライン 2nd
前回のあらすじ

大切な大学の同級生から誘ってもらった合コンなのに、方向音痴過ぎてたどり着けませんでした。

立ち直る暇もなく、職場のオンライン懇親会幹事をやったこともないのに頼まれました…
どうしよう…
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シンデレラ・オンライン 3rd

 

メールにはこう書いてありました。

Re:【オンライン開催】データセンターサービス部懇親会について

高田さん
CC:関係者各位

お世話になります、営業部の山尾です。

毎年恒例の懇親会がオンライン開催になります。
つきましては、お手数ですがネットワーク関係に詳しい高田さんに対応いただけますでしょうか。

山尾

へぇ、もうオンラインで飲み会するのが当たり前なんだなぁ…

いやいや!

「ネットワーク関係」って…急だしざっくりな理由…
そうかもしれないけど、わたしはやったことないんですよ?

あーあ、どうしよー、本部長直々だしなー

やるしかないんですよね

わたしは堅い堅いキーボードをガチャガチャと叩き「承知しました」と返信させられました。

強引に来られると断れないわたしの性格を見透かしたような無茶振りですが、まずはやってみてダメなら考えましょうか!

こうして、わたしのオンライン懇親会幹事は決定したのでした…

数日後

わたしは不安と恐怖に苛まれながら
オンライン懇親会の当日を迎えました。

緊張で手が震えながらオンライン懇親会の接続開始時間を迎えました。一人二人、三人四人、どんどんと部の方たちが流れ込んできました。
まるで証明写真を机の上に手早く並べていくかのように整然とした風景です…

ついに全員揃ったところで山尾本部長が真面目な口調で
「本日はお集まりいただき…」といつも通り話し始めると、さっきまでの緊張感はどこかに消え、強張っていた肩もストンと元の位置に帰ってきました。
「…また今回、急なお願いにも関わらず幹事として柔軟に動いてくれたのが高田さんです、どうもありがとう、拍手」
と急な注目に動揺する、心が忙しいです。

オンライン上では現実世界と違って、全員の話す声が同じ大きさになってしまい、まるで会話になりませんから、部屋分けを行い4〜5人に分かれることになりました。

これは「誰でも簡単オンライン飲み会の部屋分け術」というWEBの記事に書いてあったとおり、ランダムに部屋に振り分ける機能を使って30分ほどの歓談タイムに移りました。

そうして割り振られたわたしの部屋は女性2人、男性2人のちょうど良いバランス。
しかも他3人のうち顔見知りが2人もいるのでホッとしました。

「初めまして管理部の三木谷です」
初めてお会いする三木谷君は爽やか系・塩顔男子であちらから挨拶してくれました。

「初めましてっ、高田と申します…」
わたしは少し緊張して声が裏返った…

そんなわたしを気遣うように三木谷君は
「幹事お疲れさまです、ボクはこういうのは全く無知な領域なので尊敬しますよ」

わたしは褒め言葉を素直に受け取れず
「いえいえ!わたしも詳しいわけじゃないんですよ」

わたしがあたふたしてるのを見て、痺れを切らしたのは、顔見知りの後輩ちゃんでした
「高田さ〜ん!三木谷君も”劇滅の刃”が好きで、映画版も観に行ったらしいですよー?!」

「え?そうなんですか?!」
「は、はい、ボク漫画も全部読みました」
「わ、わたしもです!だれ推しですか?!!」

わたしは共通の話題が見つかり急にテンションが上がったので相当変だったと思いますが…
その後も三木谷君の穏やかな対応と、豊富な知識のおかげで30分はあっという間に過ぎました。

アニメの話題だけでも嬉しいのに、男の人とこんなに楽しく会話をしたのは入社して初めてかもしれません…!

「よかったら今度オンライン懇親会のやり方も含めて教えてもらえますか?」
三木谷君からの提案にノーが出るわけもない。
「ぜ、ぜふぃっ…!」
たった2文字を噛むほど動転しましたが。

わたしは
□ナイスアシストをしてくれた後輩ちゃんにご飯を奢ること
□三木谷君との打ち合わせ
これらの大事なタスクをしっかりと書き込みました。

その後、無事オンライン懇親会なるものを無事遂行し、役目を終えるのでした…

後日

ついにわたしは、三木谷君との打ち合わせ当日…

「お、おつかれさまです!」
「おつかれさまですー!」

少し緊張しましたが、その打ち合わせも結局、ほとんどがアニメの話題であっと言う間に1時間も経っていました…!

あぁ…なんて楽しいんだろう…
わたしは、ときめきのような安心感と充実感に満たされていました…

「そしたら、もし良ければ今度キャラカフェ行きません?」
わたしの想像を遥かに超える三木谷君からの提案にノーが出るわけもない。

「ぜ、ぜふぃっ!」
またしても、たった2文字で噛みましたが、

カメラの死角で三木谷さんに見えないように膝の横でガッツポーズをキメる。

通信の接続を繋ぐ腕とは裏腹に

恋の接続は繋がる目処が立たなかったわたしでしたが

  1. 全く無関係と思われた懇親会の幹事をキッカケに

わたしにも希望のヒカリが繋がってきたようです。

fin.

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