崖っぷちOLの幹事物語 4話 変化の時は突然に

約束である週末は早かった。


▼▼前回の話はこちら▼▼

待ち合わせ場所にはやはりわたしより早く高瀬さんが着いていた。
「今日のまみさんの格好好きだな。」
高瀬さんは空気を吸うように自然に褒めくれる。

今日はイタリアンを食べに行った。
わたしはワインが好きで、今回はリクエストさせていただいた。
二人で1本赤ワインを開けた。
すぐに飲み切ってしまった。

今日会う約束をしたのは他でもない。そう、告白だ。
だから今日はお酒は控えめにした。

お店を出て、近くの大きめの公園のベンチにいた。
週末でまだ飲んでいる人が多いのか公園には誰もいなかった。

「さっきのお店よかったですね!素敵なお店を教えてくれてありがとうございます。」
ベンチに腰掛けながら高瀬さんが言った。

「気に入ってもらえてよかったです。」
わたしも高瀬さんの隣の腰掛けながら話した。

他愛ない話が始まり少し経った頃、

「あの‥っ!」

わたしから切り出した。
思ったより大きい声だったのか高瀬さんはすこしびっくりしたような顔をしていた。

「どうしたの」
高瀬さんが言う。

「今日は高瀬さんに話したいことがあって‥その、、誘わせていただいたんです。」
今思うと、かなりきょどってたと思う。
だけど高瀬さんは真剣に話を聞いてくれた。

「初めて会ったとき‥」
初めて合コンであったとき、話しかけてくれてうれしかったこと。
デートした時に自分とは対照的な積極的な性格でお友達がたくさんいるのをうらやましく思ったり、

帰り道、時間が止まればいいのに‥と思ったこと。

わたしは、、、

「高瀬さんのことが好きなんです。お付き合い出来たらうれしいです。」

はっきりと告白した。
本当はこんなこと言う性格じゃないけど、陽子が話してくれた『人生は1度きり。』という言葉が自分に踏み出す勇気をくれた。

「まみさん、ありがとう。俺も、まみさんと付き合ってみたい。」

‥こ、これって、、OK?!
わたし、高瀬さんと両想いだったってこと?

こんなに世の中にはたくさん人がいるのに私たちが両想いになる確率って何%だろう。
両想いだなんて運命の巡り合わせじゃないか。

「だけど、」

高瀬さんがつづけた。
え、なに。告白OKのあとにだけどってなんだ‥。

「俺、奥さんと3歳になる子供いるんだけどそれでもいいかな。」

 

は?

 

「女の子なんだけど、自分でいうのは何だけど結構かわいい顔しててさ‥」
わたしのぽかんとした表情に気づいていないのか楽しそうに高瀬さんが続けた。

不穏な空気に気づいたのか高瀬さんが私の顔を見て、

「あははは‥」
ごまかすように笑いかけた。

「あははは」
わたしの笑いは思った以上に乾いていた。

「ってちげーだろぉおおお!!」

バチーーーン


わたしが思い切り高瀬さんのほほを叩いた(殴ったに近いか?笑)音は公園中に響きわたった。

あれから半年。
わたしには彼氏がいた。

あの事件から高瀬さんとは連絡を取っていない。
なかなかショッキングな出来事だったけど、あの事件がきっかけでわたしはなんだか性格を変えられた気がする。

言いたいことはしっかり相手に伝えられるようになったし、フットワークも軽くなった。

今の彼氏は自分で主催した飲み会に遊びに来た友達だった。
いつも参加する側だった私が自ら飲み会を主催するようになり、当時背中を押してくれた陽子とは今は週1で飲みに行く仲になった。

わたしは今、充実している。

人にとって”きっかけ”ってあると思う。

その出来事が恋愛なのか、仕事なのか‥
わからないけど、そこら中にきっと落ちている。

問題は、そのきっかけを行動に変えるかどうかだ。

今までは変化が怖かった。
でも今は変化してまた新しい世界を見たいと思っている。

行動すると見える景色が変わって楽しい。

わたしはこれから先、もっと自分を変えていくような予感がしている。

第6感なんて非科学的なことは信じないタイプ。

 

でも、こういう女のカンって結構当たるものです。

おわり

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