幹事サバイバル 第6話「飲み会の目的」

~前回までのあらすじ~

会長の息子が来年度に営業部1課に入社するということで、飲み会商事営業部の新人歓迎会が人事部の中で話題になっていた。

新人歓迎会の幹事は営業部1課、2課から代表1名を選出し、営業全体の投票で決められると、さとしは2課の課長から言い渡された。

さらに2課の課長はさとしではなく、1課の木村たけるに投票すると言うのだ。

困惑するさとし。
そんなさとしに同期の北川ユイから救いの手が。
ユイのアドバイスによって、飲み会の幹事にとって
大切なことに気づき始めたさとし。
さとしの飲み会幹事としての成長物語がついに始まる。

社長が参加する営業部の新人歓迎会まであと3ヶ月…

【2020年3月 PM12:30 社員食堂】

昨年末の忘年会の幹事に対するさとしの振り返りを聞いたユイが、
さとしに問いかけたのは3点。

・忘年会に参加するのは課長だけじゃない
・課長はどんな忘年会にしたいと思ったか
・先輩たちはさとしみたいに独身の方ばかりではない

ユイから1点目についてアドバイスを受けたさとしは、参加者の中で一番役職が高い課長のことだけではなく、”参加者全員に喜ばれるお店選びをすることが大切”と気づいた。

気持ちが高ぶっているさとしを見ながら、2点目の
”課長はどんな忘年会にしたいと思ったか”について、
ユイはさとしに話し始めた。

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ユイ「さとし君、お店選びについて何かつかめたみたいだね♪」
「ただね、飲み会をするうえで大切なことはもっとたくさんあるんだよ!」
「たとえば、昨年末の忘年会に先輩たちはどんな目的で参加していたと思う?」

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さとし「忘年会に参加する目的か…」
「さっきも言ったけど、飲んで美味しいごはんを食べて、課のみんなで1年間お疲れさまって労いあうためじゃないのか?」
「飲み放題のメニューでは、課長の好きな日本酒ばかりだったのが女性の先輩に不評で失敗してしまったけど、料理は美味しくて先輩たちは喜んでいたとおもう!」

たしかにさとしの言うとおり、コース料金が5,500円ということもあり、料理はなかなかのものが出され、参加した先輩たちから料理については好評ではあった。

さとしの回答について少し物足りなさを感じながら、ユイはふたたびさとしに話し始めた。

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ユイ「さとし君が言ってくれたこと、間違いじゃないと思うよ?」
「じゃあ、忘年会に参加していた先輩たちの中で、日頃の感謝をみんなに一番伝えたい人は誰だと思う?」
「少し考えてみてよ♪」

ユイは信じていた。さとしなら今の一言で大切なことに気づいてくれると。
さとしは負けず嫌いで、同期から何か言われても素直に受け取れないことがよくある。
そんなさとしのことをよく理解しているユイは、さとし自身に気づいてもらえるよう、慎重に言葉を選んだ。

考え込むさとし。大好物のエビフライを食べることも忘れてしまうほど、ユイとの話に入り込んでいた。

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さとし「そうだな。。。」
「やっぱり課長じゃないか?課長は日頃から先輩たちにたいして”ありがとう!”と言っているところをオフィスでもよく見かけるし、何より部下想いだしな。」

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ユイ「え!?」

ユイはさとしの答えに驚きを隠せなかった。

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ユイ「さとし君、すごいじゃない♪そのとおりだよ!」
「だから忘年会のときは、課長自身がみんなの席を回りりやすいように、
課長が座る位置も考えていたほうがいいよね♪」
「忘年会だけでなく、他の飲み会でも同じように考えてみたらどうかな♪」

さとしにふたたび衝撃が走った。
ユイが思い描いた答えにたどりついたものの、昨年末の忘年会での課長の席は、ベストな位置とは言えないものだったからだ。

さらに課長に気をつかうあまり、さとし自身が課長に仕事の話などを終始聞いたりしていたため、課長が他の部下たちと話す機会をさとしが奪ってしまっていたのだ。

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さとし「そうだったのか!お店選びだけでなく、飲み会に参加した課長、先輩たちへの配慮まで欠けていたのか…」

落ち込んだような表情を一瞬みせたさとしのことが心配になるユイ。
しかし、さとしの表情は一変、明るいものとなった。

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さとし「ユイ!ありがとな!」
「また一つ、大切なことを学べたよ!」
「次からは飲み会の目的を考え、お店選び、飲み会中の参加者の方への関わり方を意識していくよ!」

生き生きとした表情をみせるさとしに安心したユイ。
そして、最後の3点目”先輩たちはさとしみたいに独身の方ばかりではない”について、さとしに話し始めた。

To be continued…

第5話「誰のための飲み会か」

 

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