幹事サバイバル 第3話「転機」

~前回までのあらすじ~

会長の息子が来年度に営業部1課に
入社するということで、飲み会商事営業部の新人歓迎会
人事部の中で話題になっていた。
さとしはその真意を確かめるべく会社に足早に向かう。

しかし、2課の先輩たちは誰も
新人歓迎会のことを知らなかった。
朝礼後、困惑しているさとしに
課長からの突然の呼び出しが。

さとしの物語が少しずつ動き出していく…

【2020年3月 月曜日 AM 9:15 営業部2課 課長デスク前】

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課長「おっと、いけない。ここでは他の社員に聞かれてしまうな。」
「さとし、ついてきてくれ。」

飲み会商事営業部には打ち合わせ用の会議室が何室かある。
さとしは課長に連れられ、6名用の一番小さな会議室へと
入っていった。

二人はゆっくりと向かい合って座る。
そして、課長が静かに話しはじめた。

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課長「来月、うちの会長の息子さんが入社するとの連絡を人事部から受けた。しかも配属先は1課だ。」

さとしは出社前にユイから聞いていたため、
課長の話に驚きはなかった。
ただ、初めて聞いたかのようにふるまうことにした。

そして、新人歓迎会の幹事の件を課長から聞き出そうと
言葉を返した。

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さとし「そうなんですか!?でもなぜその話をぼくにだけ話してくださったのですか?」

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課長「実はな、毎年恒例の営業部の新人歓迎会の幹事を1課、2課から候補を1人ずつ選出し、営業部全体の投票で選ばれることになった…」

「そして、新人歓迎会には社長が参加される」

「1課の候補はさとしの同期の木村たけるくん、そして2課の候補はさとしだ。」

ユイが今朝話していたことは嘘ではなかったようだ。
会長の息子が配属になるからって、こんなことになるなんて。
それにしても課長はなぜ表情がくもっているのだろう。

さとしが感じた課長の雰囲気は的を射ていた。
課長はふたたび話し始めた。

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課長「おれとしてはぜひさとしに幹事に選ばれてほしいと思っている。営業成績では1課に負け続けているおれたちだ。」

「ただ、このチャンス、人材は1課に劣っていないところを社長に見せつけたい」

課長は静かに話しながらも、一言一言に力がこもっていることが
伝わってきた。

さとしにとっては、尊敬している課長の力になりたいと、
新人歓迎会の幹事の座を勝ち取ろうと決めた瞬間でもあった。
と同時に浮かんだ疑問を課長に聞いてみた。

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さとし「投票は1課、2課全体でとるとのことですが、1課は木村くんに、2課の先輩たちはぼくに投票してくれるんだったら、決まらないんじゃないですか?」

さとしの言うとおりだった。

お互いの課の候補に投票したら、同票になり決着がつかないのだ。
課長はさとしからの質問を初めからわかっていたかのように
答え始めた…

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課長「さとしの言う通りだ。ただ、この勝負、単純な1課と2課の勝負ではないんだ。社長が参加される新人歓迎会を失敗で終わらせるわけにはいかない。」

「だから2課のみんなには、公平に投票するように伝えるつもりだ。さとし、この意味がわかるか?」

さとしには課長が伝えようとしてくれている真意がわからずにいた

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さとし「課長、すみません。どういうことでしょうか。」


さとしは気まずそうに課長の質問に答えた。

課長はやはりな、という表情を一瞬浮かべたものの、
真剣な表情に戻し、話し始めた。

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課長「今のままでは2課のみんなは、1課の木村たけるくんに投票するだろう…」

さとしには課長が何を言っているのかわからなかった。
この課長の一言が、これからのさとしの成長の転機になることは
今のさとしはまだ知らない。

To be continued…

幹事サバイバル 第2話「課長からの呼び出し」

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